2003 Fiscal Year Annual Research Report
バイオポリマーの合成機構解明と遺伝子工学的手法を用いた新規機能性高分子の合成
Project/Area Number |
14750688
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田島 健次 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00271643)
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Keywords | 酢酸菌 / Acetobacter xylinum / 微生物セルロース(BC) / エンドグルカナーゼ / βグルコシダーゼ |
Research Abstract |
昨年作製した酢酸菌(Acetobacter xylinum)ATCC23769株のβグルコシダーゼ遺伝子欠損株に対して遺伝子を導入し、相補試験を行った。その結果βグルコシダーゼ遺伝子以外の遺伝子がセルロース生産に関与していることが分かった。この遺伝子産物について相同性検索を行ったところ、機能は未知であるがセルロースを生産する他のバクテリアにもホモログが存在していることが明らかとなった。この遺伝子については現在さらなる検討を行っている。 セルロース合成酵素遺伝子オペロンの上流に存在するORF2(CcpAx)遺伝子はセルロース合成に必須であることが示唆されており、ORF2遺伝子欠損株であるCel-1を用いてセルロース合成における機能を解析した。CcpAxの推定アミノ酸配列を用いて相同性検索を行ったところ、これまで機能が明らかとなっているタンパク質とはほとんど相同性がないことが明らかとなった。そこでCcpAxの存在箇所を調べるためにEGFPとの融合タンパク質の調製を行い、蛍光顕微鏡観察を行った。観察の結果、CcpAxは菌体の膜周辺に長軸に平行に直線的に存在していることが分かった。セルロース合成酵素複合体(TC)は菌体の長軸方向に直線的に存在していることが報告されており、CcpAxがこれらと相関して存在している可能性が示唆された。 既にクローニング済みであるCMCax遺伝子断片を用い、Cel-1(CcpAx遺伝子欠損株、セルロース非生産性)株においてCMCax遺伝子欠損株を作製した。セルロース合成における機能について現在詳細な検討を行っている。
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