2004 Fiscal Year Annual Research Report
(1→3)-β-D-グルコピラナン誘導体の精密化学合成と抗腫瘍活性の評価
Project/Area Number |
14750700
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
堤内 要 中部大学, 応用生物学部, 助教授 (50329851)
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Keywords | 開環重合 / 配位重合 / 多糖 / (1→3)-β-D-グルカン / 1,3-アンヒドロ糖 / グラフト共重合体 / 抗腫瘍活性 / 免疫賦活作用 |
Research Abstract |
トリイソブチルアルミニウム-水-アセチルアセトン(1:0.4:0.8)触媒による1,3-アンヒドロ糖誘導体の開環重合を基盤とした分岐型(1→3)-β-D-グルコピラナン合成法の確立を目指し、1,3-アンヒドロ-2,4,6-トリ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノース(1)と1,3-アンヒドロ-2,4-ジ-O-ベンジル-6-O-(p-メトキシフェニル)-β-D-グルコピラノース(2)との共重合を検討した。仕込みモノマーにおける1と2の比率を変え、モノマー初濃度および触媒濃度を0.40mol/L、5mol%とし、真空条件下、トルエン溶媒中、60℃で共重合を行ったところ、目的とした共重合体を得られることが判明した。例えば、1と2の比率を4:1とした24時間の反応では収率92%で目的とする共重合体が得られた。SEC測定によりポリスチレン換算で見積もった数平均分子量は2.0x10^4でM_w/M_nの値は1.8となった。また、^<13>C-NMRスペクトルからグリコシド結合のβ型への制御、^1H-NMRスペクトルから共重合体中のモノマー組成比が重合前の値とほぼ一致することを確認した。分岐構造へと導く鍵化合物2の合成に時間がかかってしまい、当初計画したような成果は得られていないが、分岐型(1→3)-β-D-グルコピラナンの合成で最も重要な、直鎖型(1→3)-β-D-グルコピラナンへの分岐点の導入は達成することができた。2の合成を効率よく行うという課題が残っているものの、今後、6位の選択的脱保護、側鎖の導入、全保護基の除去を行うことで構造の明確な分岐型(1→3)-β-D-グルコピラナンが得られるものと思われる。本課題の研究期間は終了したが、今後も独自に研究を続け、(1→3)-β-D-グルカンのライブラリーを構築し、構造と機能との相関解明や新しい機能性材料の開発を目指す予定である。
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Research Products
(2 results)