2002 Fiscal Year Annual Research Report
光ファイバセンサ出力からの逆解析による複合材料積層板中の損傷発生位置の同定
Project/Area Number |
14750718
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡部 洋二 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (90313006)
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Keywords | 光ファイバセンサ / 複合材料 / 微視的損傷 / 細径FBGセンサ / 複素反射光スペクトル / 逆解析 / 損傷位置同定 / 熱残留応力 |
Research Abstract |
外径52μmの細径FBG(Fiber Bragg Grating)センサを炭素繊維強化プラスチック(CFRP)複合材料中に埋め込み、そのセンサからの反射光パワースペクトルの形状変化を調べることで、CFRP積層板内部に発生した微視的損傷を検出することを可能にした。さらに、反射光のパワースペクトルだけではなく、位相スペクトルも測定することで複素反射光スペクトルを求め、そこから逆解析でFBGの光学特性分布を得ることで、クラックの数だけではなく、クラックの発生位置までも同定可能にすることを試みる。 そこでまず、複素反射光スペクトルを光ネットワークアナライザによって測定した。しかし、CFRP積層板中に埋め込んだFBGセンサは熱残留応力によって非軸対称なひずみを受けるため、複屈折が生じ、2方向の偏光からなるスペクトルが現れることが実験と理論解析の両面から明らかになった。これは逆解析を行う際に問題となるので、来年度は偏波方向を制御しながら測定できる計測システムの構築が課題となる。 次に、複素反射光スペクトルからFBGの屈折率とグレーティング周期の分布を求めるための逆解析プログラムの構築を行う。その手法としてLayer-Peeling Inverse Scattering Algorithmを用い、これによって波長の関数である位相スペクトルとパワースペクトルから、位置の関数である屈折率とグレーティング周期の分布を求める。そして得られた分布から亀裂の発生位置を同定していく。本年度は、その解析の基礎として、伝達行列法でモード結合方程式を解き、FBGの光学特性分布から複素反射光スペクトルを計算するプログラムを構築した。来年度はこれを基に、Inverse Scattering Algorithmによる逆解析プログラムを完成させる予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Okabe, T.Mizutani, S.Yashiro, N.Takeda: "Detection of microscopic damages in composite laminates with embedded small-diameter fiber Bragg grating sensors"Composite Science and Technology. 62・7-8. 951-958 (2002)
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[Publications] Y.Okabe, S.Yashiro, R.Tsuji, T.Mizutani, N.Takeda: "Effect of thermal residual stress on the reflection spectrum from fiber Bragg grating sensors embedded in CFRP laminates"Composite Part A. 33・7. 991-999 (2002)
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[Publications] S.Takeda, Y.Okabe, N.Takeda: "Delamination detection in CFRP laminates with embedded small-diameter fiber Bragg grating sensors"Composite Part A. 33・7. 971-980 (2002)
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[Publications] Y.Okabe, N.Tanaka, N.Takeda: "Effect of fiber coating on crack detection in carbon fiber reinforced plastic composites using fiber Bragg grating sensors"Smart Materials and Structures. 11・6. 892-898 (2002)