2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14750719
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺本 進 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (30300700)
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Keywords | 圧縮性流れ / 境界層 / 数値シミュレーション / LES |
Research Abstract |
本年度は、まずPentium4/2.2GHzを搭載したパソコン3台を購入し、クラスタマシンの構築を行った。流体計算コードのベンチマークソフトとして広く使われている姫野ベンチを用いて構築したクラスタマシンの演算性能を測定した結果、最大1.0GFLOPSの性能が得られ、流体解析ソフトを効率良く開発する環境を構築することができた。 クラスタマシン構築と並行して低レイノルズ数流れ解析の動向調査を行った結果、計算法の進歩に伴って、Re数が10^5程度の流れであれば衝撃波を伴う低レイノルズ数流れのLES解析が出来るようになって来た事が分かったので、構築したクラスタマシンを用いて圧縮性LES解析コードの開発を行った。 圧縮性の3次元Navier-Stokes方程式を基礎式として、対流項を6次精度のコンパクトスキーム、粘性項を2次精度中心差分で離散化した。圧力の2階微分を用いたshock sensor関数を用いて、衝撃波近傍のみ対流項の評価を3次精度MUSCLのRoeスキームに切替えて衝撃波を安定に捉えている。時間積分には内部反復により時間3次精度を確保した陰解法を用いた。ADI化および対角化の結果得られたスカラ方程式を4次のコンパクト差分で離散化し、最終的にスカラ3重対角行列をThomas法により反転している。 構築したコードの検証としてReτ=200の平行平板チャンネル乱流を解いた結果、64^3の比較的粗い格子でありながら、192×129×160の格子を用いたMoinらの計算結果(JFM 177(1987))と一致する速度を得ることができた。開発したコードの演算速度はPentium4/2.4GHzで70μsec/step/pointであり、小規模なLES解析であればクラスタマシンでも実効可能なレベルである。以上から、高精度、高効率なLES解析コードのベースを開発することができた。
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