2002 Fiscal Year Annual Research Report
コチョウランにおける葉身周縁組織からのプロトコーム状球体の形成
Project/Area Number |
14760018
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
札埜 高志 京都大学, 農学研究科, 助手 (40314249)
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Keywords | コチョウラン / 組織培養 / 包埋処理 / 葉身周縁組織 / プロトコーム状球体 |
Research Abstract |
コチョウランの葉身周縁組織からプロトコーム状球体(以下PLBとする)を得るためには次の2段階の工程が必要である.(1)根を切除した幼苗を培養し,新たに形成した芽を培地中に誘導し,その葉身を固型培地で包埋する.(2)包埋した葉身の周縁部からPLBを形成させる. まず,幼苗から芽を形成させ,その芽を培地中へ誘導する培養条件,主にサイトカイニンの種類と濃度を検討した.基本培地はハイポネックス培地であり,BA濃度が25μMで芽の形成および生育が良好であった.TDZを添加すると芽の数は多くなったが生育は停止した.カイネチン,ゼアチンおよび2-iPでは芽よりも根の発生を促進した.25μMのBA添加培地で形成された芽の葉身の生育は速く,培養開始後3か月で植え付けた幼苗の葉身と同程度の大きさになった.この固型培地で包埋された葉身の葉肉細胞は植え付けた葉苗のものに比べて体積が大きいものが多数観察された. 固型培地に包埋された葉身の周縁組織にPLBを形成させる培養条件を検討した.上記と同じく25μMのBA添加ハイポネックス培地でPLBが形成された.ただし,その形成率はきわめて低く,培養条件の改良が必要であると思われる.組織学的観察の結果,PLBはカルスをを経由しないで葉身周縁組織から直接形成したと考えられた. 本手法で得られたPLBを増殖培地に植え替えたところ,自己増殖がみとめられ,通常の方法で得られたPLBと増殖率に差異は無かった.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 札埜高志, 宇野大介, 片岡圭子, 小西剛, 奈良伸, 河瀬晃四郎: "Phalaenopsisの花茎培養において固型培地で包埋した腋芽の生育について"園芸学会雑誌 (別冊2). 71. 231 (2002)