2003 Fiscal Year Annual Research Report
キュウリモザイクウイルスの欠損RNAの利用に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
14760029
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹下 稔 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (00304767)
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Keywords | キュウリモザイクウイルス / 欠損RNA |
Research Abstract |
Defective RNA(欠損RNA, D RNA)として要求される分子構造上の特徴を明らかにするためにCMV-Y D RNA3のcDNAをクローニング後,ウイルスゲノムと共に増殖可能なD RNA3をin vitroにおいて転写合成な実験系を確立した. まずD RNA3をCMV-Y以外のCMV-系統とタバコに接種した.CMV-D8と接種した場合ではCMV-Yと同様にD RNA3の増殖が確認され,さらに病徴への影響もみられた.CMV-m2との場合では接種個体内でD RNA3の増殖は確認できなかった.また,病徴への影響も見られなかった.そこで,シュードリコンビナントCMV-YYmとD RNA3の混合接種を試みた.CMV-YYmはD RNA3の増殖をサポートし,D RNA3由来の外被タンパク質の発現や病徴への強い影響が認められた. 次に,欠損領域拡大D RNA3とCMV-Yの混合接種試験を行った.10塩基,40塩基欠損領域を拡大した5'Δ10M172,3'Δ10M172,5'3'Δ10M182,3'Δ10M202,5'3'Δ40M242とCMV-Yを混合接種した個体からRT-PCRによってD RNA3を検出したところ,本来のD RNA3とほぼ同様の位置にバンドが検出された.そのうち,3'Δ40M202と5'3'Δ40M242のクローニングと塩基配列の決定を行ったところ,初めに導入した欠損部位とは異なって,5'末端非翻訳領域の79-88番目の塩基とMP領域内328-490番目の塩基が欠損していることがわかった.この欠損部位は自然発生していたD RNA3のそれに類似していた. 今後,さらなるD RNA3の二次構造分析と,D RNA3のCP発現機構解析を行った後,D RNA3からの非ウイルス由来遺伝子発現を試み,新規ウイルスベクター構築を目指す.
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Research Products
(1 results)