2003 Fiscal Year Annual Research Report
コムギ老化葉におけるRubiscoの膜小胞を介した葉緑体外への排出と分解
Project/Area Number |
14760036
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石田 宏幸 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (60312625)
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Keywords | Rubisco / 葉緑体 / タンパク質分解 / 細胞内輸送 |
Research Abstract |
(1)コムギ葉におけるRubiscoを含む小胞(RCB)の形成とそのRubisco分解における役割 RCBはRubiscoの分解が盛んな葉の老化初期に最も多く存在していることを昨年の研究において見出した。そしてRCBがリソソーム様のオルガネラに囲まれていること、およびRCBが液胞内に取り込まれていることを免疫電顕観察により見出した。この結果からRCBを介したRubiscoの葉緑体外への排出が葉の老化過程におけるRubisco分解において重要な役割を果たしていることが示唆された(Chiba et al.,2003,Plant Cell Physiol.44:914-921)。 (2)Rubiscoの分解を担う細胞内プロテアーゼの同定 昨年、Rubisco大サブユニット(LSU)をPhe-40とArg-41の間で分解するプロテアーゼ活性が単離葉緑体に存在することを見出した(Kokubun et al.2002,Plant Cell Physiol. 43:1390-1395)。そこでこのLSUの切断部位前後のアミノ酸配列をもとに蛍光ペプチド基質を合成し、これを用いてホウレンソウ葉からプロテアーゼの精製を行った。精製は硫安分画と、金属キレートアフィニティ、イオン交換、ならびにゲルろ過の各クロマトグライフィーにより行った。精製されたプロテアーゼはインシュリナーゼとの相同性を持つ分子量約100,000の単量体ポリペプチドからなる金属プロテアーゼであった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Chiba A, Ishida H, Nishizawa NK, Makino A, Mae T: "Exclusion of ribulose-1,5-bisphosphate carboxylase/oxygenase from chloroplasts by specific bodies in naturally senescing leaves of wheat"Plant Cell Physiology. 44・9. 914-921 (2003)