2003 Fiscal Year Annual Research Report
生物活性解明を指向する天然有機化合物の合成化学的研究
Project/Area Number |
14760069
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
清田 洋正 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (30234397)
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Keywords | total synthesis / natural products / phytopathogens / antifeedants / antibiotics / polynactin / biosynthesis / marine products |
Research Abstract |
1.抗生物質ポリナクチン類の高活性アナログの大量合成研究を行った。 抗生物質パママイシン-621の全合成研究において、南半球部分の合成をシス選択的ヨードエーテル化及びヨウ素の還元を鍵反応に用いて達成した。新規に構築した東半球部分を延長し、北半球部の合成が進行中である。 2.非選択的植物病原菌毒素タブトキシニン-β-ラクタムの天然型及びエピマーの高立体選択的全合成を達成した。予めβ-ラクタム環化反応のためのモデル研究を行い、環化には三級水酸基の保護が必要であることを明らかにした。本合成はアリルシリルエーテルの不斉ジヒドロキシル化及びヒドロキサム酸誘導体からのβ-ラクタム環化反応を鍵として成功し、全収率22%と効率的な合成経路を開発した。 3.イネいもち病原菌毒素ピリクオールの光学活性体の合成研究を新規経路に基づいて行い、芳香環部分の結合断片を合成した。側鎖部分の結合断片合成において、[2,3]-Wittig反応による骨格構築を検討した。 4.抗生物質スピロファンジン類については、Bの提唱構造が誤りである旨競争研究グループにより報告され、Aから変換可能な異性体であることがわかった。そこで、目標をAに限定し、合成研究を進めた。 5.海産防御物質プテロエノンの天然型を含む4種のジアステレオ異性体異性体の全合成を達成した。鍵反応はEvansらの開発したシン或いはアンチアルドール反応であったが、いずれも不斉点のエピメリ化などを伴い、改良合成が必要であると結論した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 清田洋正, 高井隆文*, 斎藤正年, 中山修, 折谷隆之, 桑原重文: "タバコ野火病菌由来の非選択的植物毒素tabtoxinine-β-lactamの合成研究"第45回 天然有機化合物討論会(京都)講演要旨集. 521-526 (2003)
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[Publications] 清田洋正: "生物活性解明と応用を指向した微量天然有機化合物の合成化学的研究"日本農芸化学会誌. 77・11. 1086-1093 (2003)
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[Publications] 清田洋正, 高井隆文, 斎藤正年, 中山修, 折谷隆之, 桑原重文: "タバコ野火病原因菌毒素tabtoxinine-β-lactamの合成"第19回 農薬デザイン研究会(横浜)講演要旨集. (2003)
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[Publications] H.Kiyota, T.Takai et al.: "Synthesis of Tabtoxinine-β-lactam, Non-selective Phytotoxin from Pseudomonas tabaci"3rd Pan Pacific Conference on Pesticide Science / Book of Abstracts. 89 (2003)
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[Publications] 清田洋正: "生物活性解明と応用を指向した微量天然有機化合物の合成化学的研究"日本農芸化学会 東北支部第137回例会 講演要旨集. 23-24 (2003)
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[Publications] 高井隆文, 清田洋正*, 齋藤正年, 折谷隆之, 伊藤義文, 桑原重文: "非選択的植物毒素tabtoxinine-β-lactamの合成"日本農芸化学会2004年度大会(広島)講演要旨集. 273 (2004)