2002 Fiscal Year Annual Research Report
免疫寛容におけるTGF-β産生T細胞の分化誘導メカニズムの解析
Project/Area Number |
14760090
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
香山 雅子 東京理科大学, 生命科学研究所, 助手 (80318229)
|
Keywords | TGF-β_1 / トレランス / 調節性T細胞 |
Research Abstract |
本研究では、抹消での免疫寛容に重要な役割を担うTGF-β1産生能を有する調節性(Tr)細胞の分化誘導機構、及びT細胞からのTGF-β1産生機構についての解析目的としている。TGF-β1産生T細胞クローンの樹立や維持が困難であること、さらに現在の技術ではTGF-β1の検出感度が悪いなどの理由により、Tr細胞の分化制御機構やT細胞におけるTGF-β1遺伝子発現の分子機構の解明を難しくしている。TGF-β1プロモーターの制御化でgreen fluorescence protein (GFP)を発光するトランスジェニックマウス及びノックインマウスは、GFPの蛍光を追跡することによってin vivo及びin vitroでのTGF-β1産生T細胞の分化や誘導の様子を容易にモニターできるシステムとして有用である。我々がすでに成功したマウスゲノムライブラリーよりTGF-b1のプロモーター領域およびエクソン1を含む領域を用いてノックインマウスの作製に成功し現在はgermline transmissionを確認中である。また、T細胞からのTGF-β1産生において、TCRを介したシグナル伝達経路とその産生メカニズムの関係は詳細にはわかっていない。しかし、アナジー状態にあるT細胞がTGF-β1を産生することより、カルシウム経路とその発現制御に注目した結果、カルシウム経路の活性化はTGF-β1のmRNA発現に対して正と負、すなわち抑制的に制御する作用と発現を誘導する両方の作用があることをこれまでの研究で明らかにしている。
|