2003 Fiscal Year Annual Research Report
免疫寛容におけるTGF-β産生T細胞の分化誘導メカニズムの解析
Project/Area Number |
14760090
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
香山 雅子 東京理科大学, 生命科学研究所, 助手 (80318229)
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Keywords | TGF-β1 / 調節性T細胞 / Ca2+ / IL-10 |
Research Abstract |
免疫寛容の機構の一つである能動的抑制に関与するTGF-β1を産生する調節性T(Tr)細胞が生体内のどの器官で、またどのようなメカニズムで誘導されるかについては未だ不明である。TGF-β1産生Tr細胞の免疫寛容への作用機序を明らかにするためには、まずT細胞からのTGF-β1の発現制御機構を詳細に理解する必要がある。これまでに、Beefl Isulinトランスジェニックマウスを用いた解析より、自己反応性TGF-β1産生細胞はアナジックな細胞であることを示してきた。また、経口免疫寛容で誘導されてくるTGF-β1産生細胞も、アナジー状態にあると言われている。さらに、TCR刺激によってカルシウム経路とPKC経路が活性化されて細胞内にシグナルが伝達され様々な応答が開始されるが、アナジー状態にあるT細胞においてはTCR刺激に対してカルシウム経路の活性化が低下していると言われている。以上のことより、カルシウム経路の活性化とTGF-β1の発現制御に注目した結果、カルシウム経路の活性化はTGF-β1のmRNA発現に対して抑制的に制御する作用し、またPKC経路の活性化によってmRNA発現は促進されることを明らかにした。現在、T細胞にアナジーを誘導し、アナジー状態にある細胞においてTCR刺激とTGF-β1 mRNAの発現制御の関係について検討中である。また、TGF-β1産生を促進させる作用をもつサイトカインであるIL-10に着目し、Tr細胞からのIL-10産生機構についても解析を行った。その結果、IL-10を高産生する自己抗原特異的Tr細胞の誘導には、生体内における自己抗原の発現量が関与し、さらにIL-10産生にはICOS分子が関係していることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kohyama M: "Inducible costimulator-dependent IL-10 production by regulatory T cells specific for self-antigen"Proc Natl Acad SciUSA. (In press). (2004)
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[Publications] Sugiyama S: "Molecular basis of antigen recognition specific for T cell receptor"Immunology Letter. (In press). (2004)