2003 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア外Coenzyme Qの還元機構とその生理的存在意義の解明
Project/Area Number |
14760091
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
高橋 隆幸 神戸学院大学, 薬学部, 助手 (40216726)
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Keywords | coenzyme Q / ubiquinone / ubiquinol / キノン還元酵素 / ミトコンドリア / 電子伝達系 / 亜鉛 / 阻害剤 |
Research Abstract |
精製NADPH-CoQ ReductaseによるCoenzyme Q_<10>(CoQ_<10>)還元活性は、0.5mM Zn^<2+>により可逆的に阻害された(IC_<50>=45μM)。他のキノン還元酵素(Lipoamide Dehydrogenase、Thioredoxine Reductase、Glutathione Reductase、NAD(P)H:Qinone Oxidoreductase I(NQO1))によるCoQ_<10>還元活性はZn^<2+>の影響を全く受けないか、むしろ活性は促進された。このように、Zn^<2+>によるCoQ_<10>還元活性阻害効果は、NADPH-CoQ Reductaseに対して特異的なものだった。 ところで、in vivoの実験で、経口あるいは腹腔内投与されたCoQは、生体内でそのほとんどが還元型のUbiquinolとして検出される。また、3種類の培養細胞(HeLa細胞、Jurkat細胞、ヒト皮膚線維芽細胞)について、外因性CoQ_9の細胞内還元比率と細胞内CoQ_<10>還元活性を調べると、これらの間に正の相関性が認められた。そこで外因性CoQが細胞内でどのようにして還元されるのかを調べる目的で、高いCoQ_<10>還元活性を持つHeLa細胞を用いて検討した。培養液に加えたCoQ_9はHeLa細胞内に取り込まれると速やかに還元されるが、その還元はミトコンドリア電子伝達系阻害剤(Rotenoneや3-Nitropropionic Acid)や細胞膜電子伝達系阻害剤(Capsaicin)の影響を全く受けなかった。また、NQO1阻害剤(Dicumarol)の影響も全く受けなかったが、Zn^<2+>はHeLa細胞内での外因性CoQ_9の還元を阻害した。これらの結果は、外因性CoQが、主にNADPH-CoQ Reductaseにより還元されていることを示唆するものと思われる。
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Research Products
(1 results)