2003 Fiscal Year Annual Research Report
免疫標識法によるスギ心材ノルリグナンの分布の可視化
Project/Area Number |
14760111
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
今井 貴規 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (20252281)
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Keywords | 免疫標品 / ノルリグナン / アガサレジノール / スギ |
Research Abstract |
免疫光学顕微鏡法によるアガサレジノールのスギ木部組織中の分布の可視化は、昨年度に達成されている。本年度は、電子顕微鏡レベルでのアガサレジノールの分布の可視化を試みた。通常の手順(組織の固定・脱水・包埋、超薄切片の調製、および超薄切片の抗血清処理)による観察では免疫標識は極めて僅かであり、一連の手順において低分子量物質であるアガサレジノールが本来の存在場所から移動し、さらに組織外へ溶脱した可能性が示された。この移動・溶脱を抑制するため、次の対策を試みた。すなわち、(1)一連の手順を低温下で行い、各段階において時間を短縮し、また振とうを軽減した、(2)アルコールによる脱水に代わって試料を凍結乾燥した、(3)あらかじめ試料を凍結乾燥し、乾燥試料について樹脂包埋・切片調製を試みた、(4)あらかじめ試料をカフェイン溶液で処理し(フェノール性成分を固定できると言われている)、この試料について一連の手順を施した。その結果、標識がいくらか強化され、細胞壁の免疫標識が観察される場合もあったが、十分な改善は達成されなかった。今後、(1)凍結走査型免疫電子顕微鏡法(凍結状態での試料調製、試料の樹脂包埋・脱水などの操作を必要としない)、(2)前固定免疫標識法(あらかじめ低分子量物質と抗体タンパクとを結合させる、タンパク質の固定は比較的容易である、Fab断片の調製が必要となる)、(3)免疫標識手順の簡略化(一次抗体のコロイド金修飾)、などを試みる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Nagasaki et al.: "Studies on the immunolabeling of heartwood extractives : characterization of anti-agatharesinol antiserum"J.Wood.Sci.. 50・1. 82-86 (2004)
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[Publications] Y.Hosoo et al.: "Diurnal differences in the innermost surface of the S2 layer in differentiating tracheids of Cryptomeria japonica corresponding to a light-dark cycle"Holzforschung. 57. 567-573 (2003)