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2004 Fiscal Year Annual Research Report

免疫法によるグアイアシル及びシリンギルリグニンの選択的標識

Research Project

Project/Area Number 14760113
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

吉永 新  京都大学, 農学研究科, 助手 (60273489)

Keywordsリグニン / 樹木細胞壁 / 免疫標識法 / 抗体 / 競合阻害ELISA / グアイアシル核 / シリンギル核 / 木質化
Research Abstract

本年度は昨年度グアイアシル核を含むコニフェリルアルデヒド(CAld)及びシリンギル核を含むシナピン酸(SA)とタンパク質との複合体を抗原として調製した2種類の抗体(抗CAld抗血清及び抗SA抗血清)について、モデル化合物を含んだエポキシ樹脂切片の標識によって特異性の確認を行うとともに、主としてグアイアシル核を含む針葉樹のヒノキ及びシリンギル核の割合が高い広葉樹であるミズメの分化中木部を標識した。
グアイアシル核を含むコニフェリルアルコール、コニフェリルアルデヒド及びシリンギル核を含むシナピルアルコール、シナピン酸のうち1種類の化合物を含んだ樹脂切片を2種類の抗血清で標識したところ、抗CAld抗血清ではコニフェリルアルコールには標識が見られたが、残りの3種の化合物では標識が観察されなかった。一方、抗SA抗血清ではシナピルアルコール及びシナピン酸には標識が見られたが、コニフェリルアルコール及びコニフェリルアルデヒドでは標識が観察されなかった。このことから両抗血清はある程度グアイアシル核とシリンギル核の違いを識別している可能性が示された。また、これらの抗血清はリグニン前駆物質である遊離のコニフェリルアルコール及びシナピルアルコールの検出に利用できることが明らかとなった。今後観察試料調製時にこれらの前駆物質を包埋試料中に保持することができれば、不明な点が多い木化中におけるリグニン前駆物質の挙動を明らかにできる可能性がある。
2種類の抗血清でヒノキ及びミズメの分化中木部を標識したところ、抗血清によって標識部位が異なり、リグニン中の遊離フェノール性水酸基を持つ末端のグアイアシル及びシリンギル核をそれぞれ認識している可能性が示唆され、樹木細胞壁においてその分布を可視化するのに有効であることが示された。

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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