2002 Fiscal Year Annual Research Report
遊離している砥粒状物質による木材の摩耗とその摩耗特性の改善
Project/Area Number |
14760116
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
大谷 忠 島根大学, 総合理工学部, 助手 (80314615)
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Keywords | 摩耗 / 遊離砥粒 / 耐摩耗性 / 木材 / 降伏応力 |
Research Abstract |
2年間の継続となる本研究において、1年目に計画した内容に対して、以下のような実績を挙げたので報告する。1年目は遊離砥粒による木材の摩耗特性を調べ、木材と組み合わせる床材料の影響(計画1)および遊離砥粒の大きさの影響(計画2)について調べることを計画した。 計画1に対する結果として、床材料の影響については、金属、木材、プラスチックの種々の床材料上に遊離砥粒を散布し、木材を摩擦させた時の摩耗特性を明らかにした。その結果、種々の針葉樹材および広葉樹材における木材の摩耗は、金属やプラスチック、木材のいずれの床材料上で摩耗した場合にも、ある床材料との組み合わせにおいて、摩耗率が大きくなる条件が存在した。すなわち、組み合わせる床材料によって木材が著しく摩耗することが明らかとなった。また、この条件は、組み合わせる木材と床材料の降伏応力と密接に関係していることも明らかとなった。このような知見は、木材が床板等に使用され、摩耗が生じる場合、組み合わせる床材料を考慮した材料設計を行う上で、重要な基礎データになりうる。本成果は、日本木材学会による欧文誌に投稿し審査が終了したので、後日掲載される予定である。また、さらに木材の種類による床材料の影響を詳しく調べるため、圧縮モデル材料やカツラ材を用いた実験を行い、新たな結果も得られている。本結果を通して、床材料の影響は、組み合わせる木材に含まれる巨視的な空隙の影響を受け、その空隙の量によって木材の摩耗が著しくなる床材料の条件も異なることがわかった。本結果についても、日本木材学会および精密工学会の欧文誌に投稿中である。 計画2の遊離砥粒の大きさについて検討した実験については、現在進行中であり、興味深い結果も得られているので、今後さらに本研究を進める予定である。
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Research Products
(1 results)