2002 Fiscal Year Annual Research Report
力学的環境下にある樹木培養細胞の形態形成と細胞骨格の関係
Project/Area Number |
14760117
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 宇外 千葉工業大学, 工学部, 講師 (70337707)
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Keywords | 生物物理学 / 植物生理学 / 遺伝子導入法 |
Research Abstract |
本年度は、木本植物培養細胞の力学試験装置の開発と測定、および微小管結合タンパク(MAPs)とGreen Fluorescent Protein (GFP)の融合タンパク発現遺伝子の構築と培養細胞への導入を行った。 リニアアクチュエータおよび半導体ひずみゲージを付けたカンチレバー型ロードセルからなる力学測定装置をCCDカメラ付倒立型微分干渉顕微鏡に装着し、培養細胞の引張試験を行った。細胞壁をもつ培養細胞では接着剤を用いてガラスピペットの先端に付けることが困難であったので、細胞をプロトプラスト化し、ピペットに接着した。直径10〜20μmのプロトプラストに引張変形を与えると、1.1〜2.2μNで破壊した。この測定結果とすでに報告されているウサギの繊維芽細胞の破壊荷重を比較すると、両者はほぼ同等の値かプロトプラストの方がやや大きい値を示した。今後は、細胞壁をもつ培養細胞に対して同様の測定が行えるよう、測定方法を詳しく検討する。 マウス平滑筋のcDNAから、PCR法によりMAPsの結合ドメインを増幅した。得られたPCR産物の塩基配列をシークエンシングし、アミノ酸配列を得た。これとすでに報告されているMAPsのアミノ酸配列を比較した結果、比較的よく一致していたことから、MAPs結合ドメイン遺伝子が増幅できたと判断した。pUC18ベクター上でMAPs結合ドメイン遺伝子とGFP遺伝子をライゲーションし、さらにこれをpBI121ベクター上にライゲーションした。しかしながら、現在のところ、pBI121ベクター上へのライゲーションは不成功である。今後は、この反応条件を早く確立させてキメラ遺伝子を構築し、木本植物培養細胞への導入を行う。
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