2003 Fiscal Year Annual Research Report
力学的環境下にある樹木培養細胞の形態形成と細胞骨格の関係
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14760117
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 宇外 千葉工業大学, 工学部, 講師 (70337707)
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Keywords | 生物物理学 / 植物生理学 / 遺伝子導入法 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き、木本植物培養細胞の力学試験装置の開発と測定、および微小管結合タンパク(MAPs)とGreen Fluorescent Protein(GFP)の融合タンパク発現遺伝子の構築と培養細胞への導入を行った。 植物培養細胞の力学試験については、細胞変形時の荷重測定や細胞の接着方法に関していくつかの改善・改良を行った。昨年度は、ひずみゲージ方式による荷重測定を行ったが、この方式は微小な温度変化や微弱な空気の流れに対して敏感であるため、高精度の荷重測定がやや困難であった。そこで、静電容量方式非接触変位計を用いた荷重測定方法について検討し、測定時の環境に影響を受けず非常に良好な結果を得ることができたので、この測定方法を採用することとした。細胞の接着方法については、ガラスピペット先端への接着剤の塗布方法を改良した結果、細胞の接着性能を向上させることができ、細胞の引張変形における荷重-変位関係の測定ができるようになった。ただし、培養液の条件によっては接着性能が若干低下するため、さらに検討が必要である。 遺伝子導入実験については、MAPsとGFPの遺伝子をpBI121ベクター上でライゲーションさせることができ、目的とするキメラ遺伝子の構築に成功した。次に、このキメラ遺伝子をアグロバクテリウムに導入し、さらに植物培養細胞に形質転換したアグロバクテリウムを感染させ、キメラ遺伝子の導入を試みた。しかしながら、現在までのところ、最終段階である植物培養細胞の形質転換までには至っていない。植物培養細胞の形質転換の成否は、その細胞の特性にも依存するので、培養細胞の種類の変更も含めて早急に方法を再検討し、形質転換培養細胞の力学試験を行う。
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