2003 Fiscal Year Annual Research Report
有用物質生産を目指した微細緑藻のテルペノイド前駆体生合成経路の解明
Project/Area Number |
14760132
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 茂 東京大学, 農学生命科学研究科, 助手 (00224014)
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Keywords | 微細藻類 / Botryococcus braunii / 生合成 / イソプレノイド / 前駆体 / DOXP-MEP経路 / 1-deoxy-D-xylulose synthase / 1-deoxy-D-xylulose reductoisomerase |
Research Abstract |
群体性微細緑藻Botryococcus brauniiは大量の液状炭化水素を蓄積するため、再生産可能なエネルギー資源としての利用が考えられている。本藻種にはA、BおよびLの3品種があり、これらの中でエネルギー資源として最も有望なのはbotryococcene類およびスクアレン誘導体等のトリテルペンを生産するB品種である。一般にトリテルペン類は2分子のファルネシル二リン酸の縮合により生成されると考えられている。ファルネシル二リン酸は、テルペン類共通の前駆体であるイソペンテニル二リン酸から生成されることから、本藻種が非常に多量のトリテルペンを生産できることは、他の生物と比べて非常に効率的にイソペンテニル二リン酸を生産し、トリテルペンの生合成系へと投入できるシステムを備えていることを意味している。 このテルペン前駆体供給システムに関する知見を得るため、^<13>C標識グルコースの投与実験を行ったところ、本藻種におけるbotryococceneおよびスクアレン誘導体の生産に必要なイソペンテニル二リン酸は、DOXP/MEP経路(非メバロン酸経路)のみにより供給されていることが明らかになった。そこで本藻種におけるDOXP/MEP経路がどの様に制御されているかを調べるために、まず、1-deoxy-D-xylulose synthase(DXS)および1-deoxy-D-xylulose reductoisomerase(DXR)遺伝子のcDNAクローニングを行った。その結果前者については複数の、又、後者に関しては単一のクローンが得られた。今後、これらの遺伝子の発現がどのように制御されているのか、又、遺伝子産物の機能について解析を継続する予定である。
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Research Products
(1 results)