2003 Fiscal Year Annual Research Report
太陽光発電エネルギを利用した植物栽培システムの低コスト化に関する研究
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14760164
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
宮内 樹代史 高知大学, 農学部, 講師 (80253342)
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Keywords | 太陽光発電 / エネルギ利用 / 栽培施設 |
Research Abstract |
本研究では、施設栽培の低コスト化の一手法として、未利用エネルギのひとつである太陽光発電エネルギを施設栽培で必要とされる電力の一部として供給することを目的としている。また、栽培施設内で電力を必要とする装置・機器の効率的な運転条件についても検討する。 昨年度の実験結果から、設置した太陽光発電システムの発電量は概ね1.4〜2.0kWh/d(晴天時)であり、AC変換後1.0〜1.6kWh/dの電力が使用可能であった。本年度は、まず給液用ポンプとして200Wのポンプを接続し、運転条件を変えた場合の消費電力を調べた。運転条件は日中8:00〜16:00の間に連続運転した場合の他にON-OFFサイクルを15分-45分および30分-30分とした。連続運転の場合、一日の総発電量に対して消費電力量がほぼ一致し、余剰電力は生じなかった。実際のリアルタイム発電でのポンプ稼働時間は5.03hであり、この間の消費電力は1.00kWhであった。リアルタイム発電でまかなえない時間帯はバッテリの補助電力が必要となった。いずれの運転条件の場合でも、日射が十分でない早朝と夕方の時間帯には、リアルタイム発電だけではポンプの運転はまかなえず、バッテリからの補助電力が必要であった。連続運転の場合は、3.5hの間補助電力が必要であった。ON-OFFサイクル15分-45分および30分-30分の場合の消費電力量とポンプ稼働時間は、それぞれ0.35kWhと1.75h,0.7kWhと3.5hであった。これらの間欠給液の場合、一日の総発電量に対して余剰電力が、それぞれ0.85kWh,0.5kWh程度生じた。この給液サイクルで生じた余剰電力をファンやモータ等の電量供給にまかなえると考えられる。 そこで、換気用ファン(25W)を信号入出力装置を介して接続し、ポンプの間欠運転中に作動させた。ON-OFFサイクル15分-45分および30分-30分ともに、日中8時間連続してのファン作動が可能であった。今回は、ファンの容量が小さかったため電力供給が可能であったが、次年度は、容量をスケールアップした場合や複数台設置した場合について検討する。また、ファンは常時作動させたが、温度条件によってファンのON-OFF、側窓・天窓開閉用モータの作動についての検討も行う。
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