2002 Fiscal Year Annual Research Report
家禽の摂食、エネルギー代謝調節因子の脳内制御機構の解明
Project/Area Number |
14760180
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
大久保 武 香川大学, 農学部, 助教授 (70233070)
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Keywords | ニワトリ / オレキシン / 摂食 / 視床下部 |
Research Abstract |
ニワトリ視床下部RNAを用いたRT-PCR法によりニワトリオレキシンレセプターcDNAのクローニングを行った。レセプターcDNAは1869bpを有し、501アミノ酸のコードしていた。ニワトリオレキシンレセプターは哺乳類のオレキシンレセプター1型及び2型との間で、それぞれ約80%及び70%の相同性を有していた。また進化系統樹を作成したところニワトリオレキシンレセプターは2型に分類される事が明らかとなった。RT-PCR法によりニワトリオレキシンレセプターmRNAの発現部位の同定を行い、ニワトリオレキシンレセプターmRNAは幅広く脳で発現し、特に視床下部と視葉での発現が高いことを明らかにした。また末梢組織での発現は非常に限定的であり、副腎と精巣でのみ発現していた。また精巣では、オレキシンレセプターと共にオレキシンmRNAが発現している事を明らかにした。しかしこれまでの研究においてニワトリでは哺乳類と異なりオレキシンが摂食に深く関与しない可能性が示唆されていたが、ニワトリでは絶食条件下で脳内のオレキシン及びオレキシンレセプターの発現量に変動しないことが明らかとなった。またウズラにおいても絶食により脳内オレキシンの発現量に変化がないことを同時に明らかにした。以上よりニワトリオレキシンは摂食調節以外の作用を中枢を介して行っている事が強く示唆され、また視葉においてレセプターの発現量が多いことから、視覚あるいは光受容に関与している可能性が示唆された。また末梢では、オレキシンが精巣において局所ホルモンとして作用している可能性が示唆された。
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