2003 Fiscal Year Annual Research Report
ブタ卵子への精子侵入時におけるヒアルロニダーゼの生理作用の解明
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14760181
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
建本 秀樹 琉球大学, 農学部, 助教授 (70227114)
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Keywords | ヒアルロニダーゼ活性 / マウス卵子 / マウス精子 / ポリフェノール類 / タンニン酸 / 体外受精 / 結合精子 |
Research Abstract |
ブタ卵子の体外受精時における多精子侵入率は極端に高く,その後の胚発生率の低下を引き起こす原因の一つである。一方,卵管粘液中に含まれる糖タンパク質が多精子侵入の抑制機序に関与することが報告されているものの,'その詳細に関しては未だ不明な点が多い。また,精子細胞膜中に存在しヒアルロニダーゼ活性を有するPH-20は精子の卵透明帯への結合にもかかわり,受精時において非常に重要な精子側の因子である。しかし,最も受精の研究が進んでいるマウスにおいても,精子の卵子への侵入過程における精子ヒアルロニダーゼの生理学的作用については未だ不明な点が多い。そこで,本実験では,ヒアルロニダーゼ活性を抑制する作用を有するポリフェノール類を用い,マウスの受精機序に対するヒアルロニダーゼ阻害剤の影響を検討した。 ポリフェノール類(タンニン酸,アピゲニン,クエルセチン)の内,タンニン酸は濃度依存的にヒアルロニダーゼ活性を阻害し,15μg/mlタンニン酸は97%の阻害率を示した。この強いヒアルロニダーゼ阻害作用を示したタンニン酸処理は受精率を30%に抑制した(無処理区71%)。したがって,マウス精子の卵子への侵入過程においてヒアルロニダーゼ活性が関与していることが確認された。しかし,精子侵入時の卵丘細胞層の拡散をタンニン酸は抑制しなかった。一方,透明帯への結合精子数は,タンニン酸処理により72sperm/oocyteに有意に減少し(無処理区137sperm/ml),このことがタンニン酸により受精率が低下した原因と考えられた。 これらのことから,透明帯への精子結合機序に精子ヒアルロニダーゼ活性が関わっていると云った,これまでの見解とは異なる新たな可能性が推察された。そして,ブタ卵子の多精子侵入を抑制する方法として,ヒアルロニダーゼ阻害因子の利用が有効であると思われた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tatemoto H et al.: "Protection of porcine oocytes against cell damages caused by oxidative stress during in vitro maturation : role of superoxide dismutase activity in pFF"Biology of Reproduction. (Submitted). (2004)
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[Publications] Tatemoto H et al.: "Anti-hyaluronidase oligosaccharide derived from chondroitin sulfate A effectively reduces polyspermy during in vitro fertilization of porcine oocytes"Biology of Reproduction. (Submitted). (2004)
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[Publications] 建本秀樹 等: "マウス卵子の体外受精時における精子侵入に対するヒアルロニダーゼ阻害剤の影響"第44回哺乳動物卵子学会講演要旨集. S12 (2003)
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[Publications] 建本秀樹 等: "ブタ卵体外成熟時におけるブタ卵胞液の活性酸素消去能による細胞障害抑制効果"日本畜産学会第101回大会講演要旨. 77 (2003)
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[Publications] 建本秀樹: "体外におけるブタ胚作出技術の最新事情とその展望について"平成15年度(第39回)沖縄畜産研究会大会特別講演. 7-10 (2003)