2003 Fiscal Year Annual Research Report
ニワトリ継代による水禽由来インフルエンザウイルスの宿主域及び病原性変異機構の解析
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14760190
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
伊藤 啓史 鳥取大学, 農学部, 助教授 (10332777)
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Keywords | トリインフルエンザウイルス / 宿主域 / 水禽 / 家禽 / リバースジェネティクス |
Research Abstract |
本研究の目的は、家禽で増殖できない野生水禽由来のインフルエンザウイルスがどのような仕組みで家禽体内での増殖能を獲得するかを分子レベルで明らかにすることである。H15年度に実施した研究では以下の成績を得た。 (1)野生の水禽から分離された弱毒トリインフルエンザウイルスA/whistling swan/Shimane/499/83株(以下499株)の鶏継代変異株24a株の遺伝子をプラスミドにクローニングし、その遺伝子からリバースジェネティクスにより人工的に24a株(以下RG24a株)を作出した。 (2)鶏での増殖が不可能な499株と可能な24a株のリアソータントウイルス(合の子ウイルス)を人工的に作出するリバースジェネティクス系を構築した。H14年度に得られた成績を基に、この方法により499株のHA遺伝子を持ち、その他の遺伝子は24a株由来(RG499HA株)、あるいはその逆で24a株のHA遺伝子を持ち、その他の遺伝子は499株由来(RG24aHA株)のリアソータントウイルスを作出した。 (3)前年度に作出した人工499株(RG499株)及び(1)、(2)で作出したウイルスを用いて鶏雛での感染実験を行った。しかし、RG24a株の増殖性に問題があり、24a株の鶏での増殖に関わる遺伝子を同定することは出来なかった。 来年度はRG24a株について再検討を行った後、改めて鶏での感染実験を行い、トリインフルエンザウイルスの鶏での増殖に関わる遺伝子を明らかにする予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shinya K, Hamm S, Hatta M, Ito H, Ito T, Kawaoka Y.: "PB2 amino acid at position 627 affects replicative efficiency, but not cell tropism, of Hong Kong H5N1 influenza A viruses in mice."Virology. 320・20. 258-266 (2004)
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[Publications] Shinya K, Fujii Y, Ito H, Ito T, Kawaoka Y.: "Characterization of a neuraminidase-deficient influenza a virus as a potential gene delivery vector and a live vaccine."J.Virol.. 78・6. 3083-3088 (2004)