2004 Fiscal Year Annual Research Report
イヌのナチュラルキラー(NK)細胞に関する病態生理学的解析
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14760205
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大谷 功 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (00328709)
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Keywords | 犬 / ナチュラルキラー / NK / フローサイトメトリー / 表面抗原 / 抗体 |
Research Abstract |
(1)モノクローナル抗体の作成:本学付属家畜病院に来院したlarge granular lymphocytosis(LGL)と診断された犬の末梢血単核細胞をBALB/Cマウスに免疫した。同マウスの脾細胞を分離し,P3X63-Ag8.653株と融合させた。96穴平底プレート上でハイブリドーマを培養し,培養上清中に産生される抗体を,フローサイトメトリー法を用いて解析した。LGL細胞の表面抗原を認識するモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ9株を樹立した。作成したモノクローナル抗体のうち2種類(BDおよびDC5)の性状を詳細に解析した結果,BD(lgG1)は,B細胞を除く全リンパ球,単球,好酸球と結合でき,Thy-1分子を認識していると考えられた。また,DC5(lgG1)は,健常犬の23.4から32.8%のリンパ球と結合でき,CD3陽性CD4陰性の細胞を認識するなどCD8分子を認識すると考えられた。現在,作成したモノクローナル抗体の性状について、解析を進めている。 (2)イヌの甑関連遺伝子のクローンニング:本学付属家畜病院に来院したlarge granular lymphocytosisと診断された犬,あるいは健常なビーグル犬,それぞれの末梢血単核細胞から,TRIZOL(インビトロゲン社)を用いてmRNAを抽出した。GeneRacer kit(インビトロゲン社)を用いたRT-PCR法によりcDNAを合成した。5'-race法,3'-race法を用いて犬CD56遺伝子の全長2,899塩基を解読した。また,轍CS法で分離したThy-1陽性リンパ球に,CD56遺伝子が発現していることが判明した。一方,犬CD94遺伝子については,部分配列が明かとなったが引き続き全長のクローニングを行なっている。 (3)甑細胞分画の同定:肝内リンパ球を用いてフローサイトメトリーで解析したところ,CD3陰性CD21陰性リンパ球のほとんどがThy-1陰性であった。イヌのNK細胞は,Thy-1を発現しているとの報告があるが,現在CD3陰性CD21陰性リンパ球のNK活性について精査している。
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Research Products
(2 results)