2002 Fiscal Year Annual Research Report
ネコの血液腫瘍におけるビタミンK2による分化誘導療法の検討
Project/Area Number |
14760207
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
久末 正晴 麻布大学, 獣医学部, 助手 (80333144)
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Keywords | 猫 / ネコ白血病ウイルス / 急性白血病 / 骨髄異形成症候群 / ビタミンK2 / 分化誘導療法 |
Research Abstract |
平成14年度は、白血病および骨髄異形成症候群の疾患モデル動物を作成するために(1)変異ネコ白血病ウイルス(FeLV)株を用いたネコ白血病モデルの作成と(2)感染実験ネコの経時的観察および遺伝子検体等のサンプリングおよび各種遺伝子関連マーカーの解析に重点を置き作業を行ってきた。 (1)変異FeLV株を用いたネコ白血病モデルの作成 現在は、変異FeLVの培養および感染力価の測定を終了し、実験ネコの繁殖および新生児ネコへのウイルス接種を行いネコ白血病モデルの作成を順次行っている。 (2)感染実験ネコの経時的観察および遺伝子検体等のサンプリングおよび各種遺伝子関連マーカーの解析 実験ネコについては、血液検査(骨髄検査を含む)による経時的観察を行うとともに、一部の個体では骨髄細胞の分化能の解析(コロニーフォーミングアッセイ)を実施した。さらに、腫瘍マーカーとしてクローナリティ検査およびアポトーシス関連因子についても検討を行っている。白血病および骨髄異形成症候群を発症した個体は認められないものの、コロニーフォーミングアッセイでは骨髄分化能の低下が示唆され、間もなく発症実験動物を作成できるものと考えている。 また、臨床例では少数ではあるが骨髄異形成症候群の症例にビタミンK2の投与を行ったところ、明らかな血球減少症の改善、芽球比率の低下が認められた。現在、症例を蓄積した上で、さらに大規模な治験を実施できたらと考えている。
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