2002 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛欠乏症診断マーカーの同定とそれを用いた検査法の確立
Project/Area Number |
14760217
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
神戸 大朋 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (90303875)
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Keywords | 亜鉛 / 欠乏症 / 診断マーカー / トランスポーター / 分泌顆粒 |
Research Abstract |
ESTデータベースを検索した結果、亜鉛結合領域と思われるヒスチジンに富む配列を有するタンパク質をコードする複数の遺伝子断片を見いだした。これらの遺伝子断片の中から食餌中に亜鉛含量により発現量の変化する遺伝子断片を絞り込み、この遺伝子断片の全長を取得した結果、亜鉛トランスポーターに高い相同性を示すタンパク質をコードする新規遺伝子であった。この遺伝子の発現組織を検索した結果、解析した全ての組織において発現していたが、血球系の細胞では比較的発現量が低く、一方で、膵臓や子宮・胎盤といった生殖器においては高い発現が確認された。培養細胞を用いて培地中亜鉛含量に応じた遺伝子発現量の変化を解析した結果、亜鉛含量依存的に発現が変化する傾向は視察されたが、その変化は鋭敏なものではなかったため、亜鉛欠乏診断マーカーとしては使用できないと結論づけた。現在、引き続きデータベースを用いて新たな候補遺伝子の探索・同定を行っている。一方、この遺伝子産物の諸性質を解析した結果、予想したように亜鉛輸送活性を有しており、新規亜鉛トランスポーター(Zinc Transporer 5; ZnT-5)であることが判明した。さらなる解析の結果、ZnT-5は膵臓ランゲルハンス島ベータ細胞内のインスリン分泌穎粒膜に局在するタンパク質であることが判明した。インスリンは亜鉛と結合した形態で分泌顆粒内に貯蔵されるため、ZnT-5のインスリン分泌への影響に興味が持たれる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kambe T., Naria H., Yamaguchi-Iwai Y., Hirose J., Amano T., Sugiura N., Sasaki R., Mori K., Iwanaga T., Nagao M.: "Cloning and characterization of a novel mammalian zinc transporter, ZnT-5, abundantly expressed in pancreatic β cells"The journal of Biological Chemistry. 277・21. 19049-19055 (2002)