2002 Fiscal Year Annual Research Report
組織及び培養細胞を用いた細胞内局所のCa^<2+>動態に及ぼすCa^<2+>ポンプの機能解析
Project/Area Number |
14770004
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
齋野 朝幸 岩手医科大学, 医学部, 助手 (40305991)
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Keywords | カルシウム / カルシウムポンプ / バイオイメージング / 共焦点レーザー顕微鏡 |
Research Abstract |
1)カルシウム濃度測定が可能な組織標本系の確立と、画像解析を行う。 本研究は、カルシウムイオン消去系に重要な役割を演じているSERCA(筋小胞体カルシウムポンプ)が細胞内でどのような働きをするか、バイオイメージング手法を用いて解析するものである。まず実験系として、COS7細胞を用いた。組織傷害時に細胞の外へ逸脱するATPで刺激すると、COS7細胞の細胞内カルシウムが上昇することが確かめられ、この細胞がプリン受容体を持つことを確認できた。更に今年度は、共焦点レーザー顕微鏡でカルシウムイオンと同時に発現部位が観察できるように、SERCAにYFP等の発光タンパクを導入した真核細胞の発現ベクターを作成する計画であった。現在、C末端のストップコドン除去SERCAcDNAを作成し、発光タンパク導入ベクターの作成が進行途中であり、次年度以降は、これを用いた細胞内カルシウム濃度変動の伝播の特性を検討する予定である。 2)血管平滑筋細胞のカルシウム動態の解析 SERCAを主体とするカルシウム消去系の解析は、将来、高血圧などの病態や各種治療薬剤の作用を考える上で重要になってくると思われる。そこで、上記に並行して細動脈平滑筋のカルシウムイオン動態の解析を行った。生理的条件に近い組織形態を保ったままの細動脈で、リアルタイム画像取得が可能な共焦点レーザー顕微鏡を用いて各種刺激物質で刺激したところ、刺激物質の種類によって反応パターンが異なるだけでなく、臓器によっても平滑筋細胞の反応が異なることがわかった。これらの成果は、国際雑誌に発表した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Saino, M.Matsuura, Y.Satoh: "Application of real-time confocal microscopy to intracellular calcium ion dynamics in rat arterioles"Histochemistry and Cell Biology. 117(4). 295-305 (2002)
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[Publications] T.Saino, M.Matsuura, Y.Satoh: "Comparison of the effect of ATP on intracellular calcium ion dynamics between rat testicular and cerebral arteriole smooth muscle cells"Cell Calcium. 32(3). 155-165 (2002)