2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14770056
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
佐野 祐治 理化学研究所, 分子遺伝学研究室, 研究協力員 (20321771)
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Keywords | ATF-2 / phosphorylation / signal tranduction |
Research Abstract |
ATF-2はストレスによって活性化する転写因子である。細胞が紫外線照射、浸透圧異常、サイトカイン等のストレスにさらされるとATF-2はリン酸化されて活性化しCRE配列に結合してtarget geneの転写を導くことが知られている。ATF2はMAP kinase familyに属するJNK, p38によって直接的にリン酸化され、このリン酸化はATF-2の転写活性化能に極めて重要な修飾であることが知られているが、リン酸化によってなぜATF-2の転写活性化能が上昇するかについてはその詳細なメカニズムについては明らかとはなっていない。最近yeastでSin1という興味深いタンパク質が同定された。Sin1はyeastのp38 homologueであるSty1に結合することにより、yeastのATF-2 homologueであるAtf1のリン酸化状態の維持、full levelのリン酸化、タンパクの安定化を介してAtf1の転写活性化を制御する分子であることが報告されている。もし高等生物でもSin1が存在しyeastと同様な機能を示すのならば、ATF-2のリン酸化の仕組みを解きあかすか鍵となることが予想される。以上のことから我々はyeast Sin1の真核生物のhomologueであるchicken Sin1についてATF-2との関係を調べることにした。 まず最初にchicken Sin1とp38が直接的に結合するのかどうかをin vitro系で調べたところyeastの場合と同様にinteractionすることが分かった。さらにSin1はATF-2にもdirectに結合した。今後はATF-2のリン酸化へのSin1の影響をさらに詳細に解析する予定である。 以上の研究に加えてATF-2のリン酸化による活性化のメカニズムを探るために、yeastのthree-hybrid systemを用いてリン酸化ATF-2にのみ特異的に結合する因子を同定することを試みている。これはkinaseであるJNKをbait constructと共発現させてin vivoでリン酸化したATF-2をbaitに使用するスクリーニング方である。現在までのスクリーニングで目的とする候補を数クローン同定した。現在、これらのクローンが本当にリン酸化ATF-2に特異的に結合するのかどうかをin vitro系、あるいは培養細胞を使った系で検証し、目的のクローンを絞り込んでいる段階である。
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