2003 Fiscal Year Annual Research Report
非小細胞性肺癌におけるRB遺伝子の発現異常とプロモーター領域のメチル化
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14770077
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
今井 美和 (赤祖父 美和) 石川県立看護大学, 看護学部, 助教授 (40293386)
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Keywords | 非小細胞性肺癌 / RB遺伝子 / LOH / 変異 / メチル化 / RB蛋白 / リン酸化RB蛋白 / E2F1 |
Research Abstract |
【目的】非小細胞性肺癌におけるRB異常を知るために、RB遺伝子のLOH、点突然変異に加えて、RB蛋白の過剰リン酸化やRB遺伝子のプロモーター領域のメチル化によるRB遺伝子の異常発現の有無を検索した。【方法】1.RBのイントロン1、17、25の3カ所の個人多型とイントロン21領域のミニサテライトを検索してLOHの有無を判定した。2.RB遺伝子のエクソン12-23領域の塩基配列をオートシークエンサーで決定した。2.E2E1、リン酸化RB蛋白を免疫染色で検討した。4.ゲノムDNAをbisulfite modificationにより化学修飾し、PCRで増幅した後COBRA法によりメチル化の有無を検索した。また、増幅産物のシークエンスによりメチル化の有無を確認した。【結果】1.E2F1の過剰発現:RB異常の指標として免疫染色により、E2F1の過剰発現の有無を検索した。33例の非小細胞性肺癌のうち14例(42%)がE2F1陽性であった。2.RB遺伝子のLOH:33例中30例(91%)がinformative caseで、そのうち13例(43%)がLOHを示した。LOH陽性例はE2F1過剰発現例に多かった(P<0.05)。3.RB遺伝子の変異:33例中21例を検索したが、変異は認められなかった。4.リン酸化RB蛋白の過剰発現:リン酸化RBの免疫染色では33例中9例(27%)が陽性であり、この過剰発現例は、E2F1の過剰発現例と相関した(P<0.05)。5.RB遺伝子のCpGアイランドのメチル化LK-2、Calu-1の2種の非小細胞性肺癌株を用いて検索したが、いずれの培養細胞でもメチル化は認められなかった。【考察】非小細胞性肺癌の発生において、RB遺伝子の点突然変異やプロモーター領域のDNAのメチル化は関係なく、RB異常はRB遺伝子のLOHとリン酸化RB蛋白の異常発現によると考えられる。
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Research Products
(1 results)