2003 Fiscal Year Annual Research Report
ハマダラカのマラリア媒介能力に関わる抑制機構の解析
Project/Area Number |
14770112
|
Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
佐々木 年則 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 主任研究官 (10300930)
|
Keywords | マラリア / 生体防御 / レクチン / Anopheles stephensi / プロフェノール酸化酵素活性化系 |
Research Abstract |
目的:マラリア媒介蚊ハマダラカ(Anopheles stephensi)のプロフェノール酸化酵素活性化系の因子と考えられる病原体認識分子(シアル酸特異的レクチン)を分子生物学的に解析し、シアル酸特異的レクチンの遺伝子配列を決定し、アミノ酸配列を推定する。マラリア媒介蚊のシアル酸特異的レクチンであるマラリア原虫認識分子を解析することにより、蚊の段階でマラリア原虫を殺す機構の一つであるプロフェノールオキシダーゼ活性化系の最初の段階を明らかにする。そして、蚊における病原体媒介能を人為的にコントロールする可能性を探る。 計画:マラリア媒介蚊Anopheles stephensiのcDNAライブラリーを作製し、シアル酸特異的レクチンのN末端アミノ酸配列に対するペプチド抗体を用いて、発現クローニングを行う。あるいは、マラリア非媒介蚊Armigeres subalbatus由来シアル酸特異的レクチンのアミノ酸配列を解析し、縮重プライマーを用いてPCRを行い、シアル酸特異的レクチンcDNAの遺伝子断片を得てプローブとして、Anopheles stephensi由来シアル酸特異的レクチンcDNAのクローニングをプラークハイブリダイゼーション法によって行う。 成果:Armigeres subalbatus cDNAライブラリーからシアル酸特異的レクチンのN末端アミノ酸配列に対するペプチド抗体を用いて発現クローニングを行った。その結果、6つのクローンを得ることができた。現在、シアル酸特異的レクチンであるか確認中である。また、ホルマリン固定の赤血球を用いたバッチ法で得られた4つのポリペプチドをエドマン分解法やデノボシークエンシングにて解析し、多くのペプチドのアミノ酸配列を得ることができた。
|