2002 Fiscal Year Annual Research Report
ノイラミニダーゼ遺伝子の導入による乳酸菌の機能改良に関する研究
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14770118
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
桑原 知巳 徳島大学, 医学研究科, 助教授 (60263810)
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Keywords | ノイラニニダーゼ / 乳酸菌 / 腸管免疫 / アジュバンド / IgA / コレラ毒素 / ワクチン / 腸内細菌 |
Research Abstract |
近年、原核生物から真核生物まで広く存在する糖加水分解酵素であるノイラミニダーゼに粘膜アジュバントとしての活性があることが報告されている。本研究の目的はノイラミニダーゼ遺伝子を導入することにより本酵素を産生するようになった乳酸菌が経口ワクチンの効果を引き出すための粘膜アジュバントとして利用できるか否かを調べることである。本年度は様々な細菌のノイラミニダーゼ遺伝子を大腸菌-乳酸菌シャトルベクターであるpBE31へクローニングし、本酵素を産生する菌株を作成した。Bacteroides fragilis YCH46、Clostridium perfringens GAI0668、Salmonella Typhimurium1535のノイラミニダーゼ遺伝子をそれぞれPCR増幅した後、pBE31へクローニングし、pBH46、pBC2060、pSH1535を作成した。こららのプラスミドをエレクトロポレーション法によりLactococcus lactis YIT2018株へ導入し、エリスロマイシン耐性の形質転換菌を得た。これらの形質転換菌のノイラミニダーゼ活性を蛍光基質である4-MU-NANAを用いて測定したところ、それぞれの菌株のS9溶液の比活性はL. lactis (pBE31)0.15±0.01、L. lactis (pBH46)0.26±0.01、L. lactis (pCH2060)3.68±0.63およびL. lactis (pSH1535)125.40±4.27U/min/mg proteinであり、各種細菌のノイラミニダーゼ遺伝子がL. lactisにおいて発現していることが確認できた。また、ノイラミニダーゼの由来により活性に差が認められたが、これはL. lactis内でのmRNAの安定性や使用コドンの違い、酵素自体の生化学性状の差などが影響しているものと考えられた。今後は、卵白アルブミンと作成した菌株をマウスヘ経鼻接種し、糞便内の卵白アルブミンに対するIgA量を比較し、ノイラミニダーゼ産生乳酸菌の粘膜アジュバントとしての有効性について検討する予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kuroiwa., K., et al.: "Augmentig effect of acetic acid for acidification on bactericidal activity of hypochlorite solution"Lett. Appl. Microbiol.. 36. 46-49 (2003)
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[Publications] Narioka, J., et al.: "Promotion of bacterial translocation by major liver resection in obstructive jaundice in rats colonized predominantly with indigenous Escherichia coli"J. Med. Microbiol.. 51. 687-694 (2002)
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[Publications] Kuwahara, T., et al.: "Physical and genetic map of the Bacteroides fragilis YCH46 chromosome"FEMS Microbiol. Lett.. 207. 193-197 (2002)
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[Publications] Koizumi, T., et al.: "Role of dietary phosphorus in the progression of renal failure"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 295. 917-921 (2002)