2002 Fiscal Year Annual Research Report
DR5遺伝子の発現機構解析と、それを用いた癌の新しい分子標的予防法の開発
Project/Area Number |
14770149
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
吉田 達士 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (80315936)
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Keywords | DR5 (Death Receptor 5) / p53 / プロモーター / 癌 / 化学予防 / 分子標的予防 / アポトーシス / 転写 |
Research Abstract |
DR5 (Death Receptor 5)は癌抑制遺伝子p53の下流遺伝子の一つであり、DR5の過剰発現は種々の癌細胞にアポトーシスを誘導することができる。そこでDR5を分子標的とした新たな発癌予防薬を開発するため、DR5遺伝子の発現を活性化する薬剤及び遺伝子産物のスクリーニングを行った。DR5遺伝子のプロモーター領域をルシフェラーゼ遺伝子の上流に結合させたレポータープラスミドを癌細胞株に導入し、このレポーターを活性化させる薬剤及び遺伝子産物をスクリーニングした。衛生学的に重要な癌予防性食物成分(カロテイド、フラボノイドなど)をはじめ、アポトーシス誘導剤、抗発癌物質、新規化合物など約55種類を用いてDR5遺伝子プロモーターを活性化する薬剤をスクリーニングした。その結果、癌予防性食物成分のうちカロテノイド類で1種類、フラボノイド類で5種類の薬剤がDR5遺伝子プロモーターを活性化した。また、抗発癌物質では2種類の薬剤がDR5遺伝子プロモーターを活性化した。遺伝子産物を用いてスクリーニングを行った結果、2種類の転写関連遺伝子産物がDR5遺伝子プロモーターを活性化した。今後これらの薬剤と遺伝子産物が、内在性DR5遺伝子の発現を活性化させることができるか、またDR5遺伝子の発現を活性化することで癌細胞にアポトーシスを誘導できるかどうか検討する。さらに、その活性化がどのようなメカニズムによるか解析していく予定である。他にもDR5遺伝子の発現を活性化する薬剤及び遺伝子産物があると考えられるので、スクリーニングをさらに続けて行く。
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Research Products
(1 results)