2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14770158
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西野 善一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70302099)
|
Keywords | 大腸がん / カルシウム / 結腸がん / 直腸がん / コホート研究 |
Research Abstract |
宮城県14町村に居住する一般住民を対象としたコホート研究のデータを用いて、対象者のベースライン時におけるカルシウム摂取量とその後の大腸がん罹患との関連について検討を行なった。具体的には、平成2年(1990年)に40-64歳の住民51,921名を対象として自記式質問票によるベースライン調査を行ない、47,605人(91.7%)より有効回答を得た。これら有効回答者の死亡ならびに転出状況に関して継続的に追跡調査を行なうとともに、宮城県がん登録資料との照合により平成9年末(1997年)までのがん罹患状況を追跡した。対象者のカルシウム摂取量は自記式質問票に含まれる40項目からなる食物摂取頻度調査票から算出した。コホート対象者のうち、ベースライン時にがん既往のある者、およびエネルギー摂取量の上位5%および下位5%の者を除外した41,835人(男性20,174人、女性21,661人)を解析対象者とした。平成9年末までの大腸がん罹患例は結腸がん165例(男性107例、女性58例)、直腸がん110例(男性66例、女性44例)であり、解析に当たっては、解析対象者をエネルギー補正カルシウム摂取量で四分位し、最小摂取量群を基準として各群の大腸がん罹患相対危険度を算出した。 その結果、性、年齢、がん家族歴、教育歴、喫煙、飲酒、歩行時間およびBMIを補正した多変量補正後の相対危険度は、最小摂取量群を1とした時、結腸がんで0.78(95%信頼区間0.51-1.20)、0.70(0.45-1.09)、0.74(0.49-1.13)、(p for trend=0.15)、直腸がんで1.29(0.76-2.19)、1.03(0.59-1.80)、1.10(0.64-1.90)、(p for trend=0.97)であり、摂取量と大腸がんリスクとの間に有意な傾向性を示さなかった。また男女別に解析を行なっても同様であった。
|
Research Products
(1 results)