2002 Fiscal Year Annual Research Report
アスベスト曝露により発症した悪性胸膜中皮腫の遺伝子解析
Project/Area Number |
14770194
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Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health, Japan |
Principal Investigator |
北村 文彦 独立行政法人 産業医学総合研究所, 有害性評価研究部, 研究員 (20301145)
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Keywords | アスベスト / 悪性胸膜中皮腫 / p53 |
Research Abstract |
本年度は、以前より続けていたアスベスト曝露例の悪性胸膜中皮主患者から得られた腫瘍組織(パラフィン包埋)より抽出したDNAを用いた研究(p53、ras遺伝子の解析)の結果を最終的に英文誌に発表することができた。結果の概要は、ras遺伝子には遺伝子変異を認めなかったが、p53遺伝子には一例の変異が認められた。ras遺伝子の結果は、様々な先行研究の結果と一致したが、p53遺伝子の場合は我々の先行研究を含め一部食い違う結果の可能性も示された。しかし、様々な悪性腫瘍で変異が認められており、さらに最近ますますとその役割に注目を浴びているp53遺伝子に、なぜ悪性胸膜中皮腫の腫瘍組織では変異が起こりにくいのか。少数ではあるが認められる変異例は他の症例とどのような条件が異なるのか。といった疑問が残された。そこで、当初はアスベスト曝露歴および曝露アスベストの種類まではっきりした悪性胸膜中皮腫例を集め、p53遺伝子の解析を本年度中に終了させる予定であったが、症例選定と患者情報の収集に手間取り遺伝子解析を開始することができなかった。そのため、すでに収集した腫瘍組織の遺伝子解析の準備を現在進めている状態である。
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Research Products
(1 results)