2003 Fiscal Year Annual Research Report
慢性関節リウマチ滑膜マクロファージ選択的発現遺伝子の探索とその機能解析
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14770211
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
敦賀 弘道 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60336336)
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Keywords | 関節リウマチ / RA / OA / MSF / 潤滑能 / エクソン / イントロン |
Research Abstract |
RA、滑膜マクロファージに特に多く発現する遺伝子を多数見出した。これらの遺伝子の中の1つとして、MSF類似蛋白質遺伝子を見出した。MSF類似蛋白質遺伝子にはイントロン10を含むものと含まないものが存在した。OAおよびRAの滑膜と軟骨を材料として調べた結果、RA滑膜にだけイントロン10を含まないものが存在した。RA滑膜においてイントロン10を含まないものはCD163陰性細胞すなわちRA fibroblastに由来していた。またRA fibroblastでは継代を重ねていくにつれ、しだいにイントロン10を含まないものが消失していった。PMA刺激を行なうことにより、消失したイントロン10を含まないMSF類似蛋白質遺伝子が再び発現してきた。MSF類似蛋白質遺伝子にはエクソン12は存在しなかった。二種類のMSF類似蛋白質遺伝子のORFを決定したところ、イントロン10を含むものについては、エクソン1の次にエクソン9がつながり、そのあとエクソン10、イントロン10、エクソン11、イントロン11というように構成されていた。イントロン10を含まないものについては、エクソン1、2、3の後、エクソン6の5'末端の93塩基、3'末端の549塩基がつながり、その後、エクソン7、8、9、10、11、そしてイントロン11というように構成されていた。イントロン10を含むMSF類似蛋白質遺伝子においては、エクソン1と9が直接つながることにより、フレームシフトを起こし、アミノ酸配列においてはエクソン1の後、QGFSVLAFYQのポリペプチド鎖がつながって終結した。エクソン1はシグナルペプチドであるので、機能する部分はこの10ペプチドといえる。一方、イントロン10を含まないものは、エクソン1から11まではフレームシフトは起こさず、エクソン11の後、CKVLTNSFPRRのポリペプチド鎖で終結した。エクソン6は、潤滑機能に関わるMucin-like Repeat Resionを含むが二種のMSF類似蛋白はエクソン6を欠き、これらの蛋白には潤滑能がないことが予想される。
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