2004 Fiscal Year Annual Research Report
酵母様真菌カンジタ属におけるアゾール剤ヘテロレジスタンスの臨床細菌学的研究
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14770219
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
山住 俊晃 近畿大学, 医学部, 講師 (50248035)
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Keywords | カンジダ / フルコナゾール / ヘテロレジスタンス |
Research Abstract |
国内各地で血液などの臨床材料より検出されたカンジダ属200株を対象に、Etest(薬剤濃度勾配拡散法)の変法(macro法)を用いて、フルコナゾールheteroresistance subpopulationの簡易判定法でスクリーニングを行った結果、6株で阻止円内に明らかなマクロコロニーが見いだされ、(200株中;3%)、5株で阻止円の辺縁部にのみマクロコロニーが認められた(200株中;2.5%)。これら11株の菌種内訳は、C.parapsilosis2株、C.tropicalis1株、C.glabrata8株であった。ポピュレーション解析を行った結果、C.tropicalis1株は耐性クローン数が多く、homoresistanceを示唆する結果となったが、他は1×10^<-4>程度の頻度で耐性クローンを有するheteroresistanceが確認された。さらに、ポピュレーション解析で得られた耐性クローンについて、再度ポピュレーション解析を行った結果、すべて耐性の均一なポピュレーションが得られ、heteroresistance株では、薬剤曝露によって容易にhomoresistanceが得られることが明らかになった。続いてこれらの高度耐性クローンを薬剤不含培地で継代培養し、薬剤耐性の安定性について検討した結果、菌種間で異なる結果が得られた。すなわち、C.parapsilosis2株はそれぞれ1継代と7継代で元のheteroreisitantな耐性レベルに復帰したのに対し、C.glabrata8株では6株が元の耐性レベルに復するのに20継代から30継代を要し、残る2株は80継代を過ぎても耐性クローンの存在率は親株よりも明らかに高く、現在も安定化試験を継続中である。文献的にも、C.glabrataは、世界各地でフルコナゾール耐性率が異なること、耐性率の上昇傾向が見られること、治療経過中の耐性化報告が見られるなど、他菌腫とやや異なる傾向を示している。今回得られたC.glabrataが他菌種よりheteroresistance株が多いこと、heteroresistance株から薬剤曝露によって得たhomoresistance株が比較的安定であることなどの生物学的性状は、これらの現象と関連がある可能性がある。現在、安定化試験を継続するとともに、耐性遺伝子の発現レベルについて検討中である。
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Research Products
(2 results)