2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト膵筋線維芽細胞におけるPARおよびAT1受容体を介する膵線維化機構の解明
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14770233
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
五月女 隆男 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (60311726)
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Keywords | ヒト膵腺房周囲筋線維芽細胞 / アンギオテンシンII / アンギオテンシン受容体拮抗剤 / 細胞内シグナル伝達 / 膵線維化 |
Research Abstract |
慢性膵炎の線維化機序を受容体の側面から解明するために、ヒト膵より単離培養した膵腺房周囲筋線維芽細胞(PFCs)を用いて平成14年度から検討を加えてきた。 平成15年度にはアンギオテンシンIIがPFCsの細胞増殖能を添加48時間以降、濃度依存的(0.1nM-10μM)に促進させ、コラーゲン合成能もアンギオテンシンII(0.1nM-1μM)により亢進することを明らかにした。 また、それらのアンギオテンシンIIの作用はAT-1受容体拮抗剤であるvalsartan(1-1000nM)およびlosartan(10nM-10μM)にて細胞増殖能は抑制され、valsartan(10-1000nM)およびlosartan(0.1-10μM)にてコラーゲン合成能が抑制されることを明らかにした。 平成16年度はAT-1受容体を介するPFCsの細胞調節機構、線維化機構のシグナル伝達経路につき検討を加えた。 アンギオテンシンII存在下にMEK inhibitor(PD98059),p38MAPK inhibitor(SB203580),PKC inhibitor(GF),AP-1 inhibitor(curcumin)を投与し、PFCsのコラーゲン合成能につきPIP ELISAで検討した。 その結果、PD98059とcurcuminはアンギオテンシンII(1μM)のコラーゲン合成能促進効果を消滅させる働きがあることが明らかとなり、細胞内シグナル伝達経路として、MEKおよびAP-1の関与が示唆された。
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