2003 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬化症モデルラットに対するガレクチン-1髄腔内投与による治療効果
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14770284
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
和田 学 山形大学, 医学部, 助手 (90333955)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / galectin-1 / SOD1 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
研究立案当初、投与実験にSOD1トランスジェニックラットを用いる予定であったが、入手困難となり、代用としてマウスを用い、投与を筋肉内投与に変更し、実験を行った。 1.研究方法 変異SOD1トランスジェニックマウス(H46R SOD1 Tg mice、東北大学神経内科糸山泰人教授より提供)に対して、酸化型recombinant human galectin-1(0.25μg/body weight(g))及び生理食塩水を投与し、この2群間において、運動障害の発症時期、生存期間及び罹病期間を比較検討した(各群n=14)。また、運動機能はRotarod(室町工業)を用い、7日ごとに評価し、2群間で比較検討した。投与は左側腓腹筋に生後10週から開始し、7日おきに投与を継続した。また、これとは別に、脊髄前角大型神経細胞の病理学的検討を目的とし、生後21週(発症期)のマウスを還流固定し、腰髄(L_<4-5>)パラフィン連続切片を作成した。連続する15切片においてNissl染色を施行後、脊髄前角において長径20μm以上の残存大型神経細胞数をカウントし、2群間で比較検討した。 2.研究結果 酸化型galectin-1投与群は、生理食塩水投与群と比較し、その発症時期が延長していた(Log-rank;p=0.0156)。また、生存期間および罹病期間の生存解析において、galectin-1投与群は生理食塩水投与群に比し、有意に延長を示した(Log-rank;p<0.0001)。運動機能についてはgalectin-1投与群が生理食塩水投与群に比し、20rpmにおいて運動機能の低下は抑制されていた(ANOVA;p=0.038)。また、腰髄前角の大型神経細胞数は生理食塩水投与群に比し、galectin-1投与群においてより多く残存していた(Student's;p=0.044)。
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