2002 Fiscal Year Annual Research Report
新規アミロイド前駆体蛋白遺伝子変異による家族性アルツハイマー病の発症機序の解析
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14770288
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
涌谷 陽介 鳥取大学, 医学部, 助手 (10322215)
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Keywords | アミロイド前駆体蛋白 / D678N変異 / トランスジェニックマウス / 特異抗体 |
Research Abstract |
最近,我々は新たなアミロイド前駆体蛋白(APP)遺伝子変異を日本人家族性アルツハイマー病(FAD)家系において見出した(APP D678N変異,以下本変異).この変異はアミロイドβ蛋白(Aβ)内部にアミノ酸置換を引き起こす(Asn7-Aβ).これまでAβ内部の変異でアルツハイマー病を呈する家系の報告は稀であり,本変異によるAD発症のメカニズムを解析することは,多くの孤発性ADの発症メカニズムの解明や治療法の開発に役立つものと考えられる. 1.トランスジェニックマウス作成に用いるコンストラクトの作成 トランスジェニックマウス作成用のprion protein promoterの入手が困難であったため,mouse Thy-1 promoterを入手し,コンストラクトを作成した.mouse Thy-1 promoter正常型APPcDNAを組み込みこんだ後,oligo nucleotide directed mutagenesisを用いてAPP D678Nを導入した.また,Swedish変異(KM670/671NL)のみ,あるいはSwedish変異および本変異を同時に導入したコンストラクトも作成した.今後,マウス受精卵へのコンストラクトの注入・トランスジーンの確認およびトランスジェニックマウスの系統確立を目指す. 3.Asn7-Aβ特異的抗体の作成 APP D678Nトランスジェニックマウスの脳で発現(あるいは沈着)したAβが,マウスのendogenousなAβではなくAPP D678N変異由来のAsn7-Aβであることを証明するために,Asn7-Aβ特異的抗体の作成が必須であるため,変異Asn7-AβのN末側のペプチド(DAEFRHNSGYEVHHQC)に対するポリクロナール抗体を作成した.
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Research Products
(1 results)