2003 Fiscal Year Annual Research Report
新奇ニューレグリン、ニューログリカンCのシナプス形成における役割
Project/Area Number |
14770305
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
時田 義人 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 研究員 (50291175)
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Keywords | 神経細胞 / 局在 / 軸策 / 樹状突起 / フィロポディア / コンドロイチン硫酸 |
Research Abstract |
本年度は、ニューログリカンC(NGC)蛋白質の細胞内領域に結合する分子の探索を行った。 申請者は昨年までにNGCの細胞内領域に、神経細胞内での局在を制御する配列が存在することを見いだしている。そこで、本年度は2つのスプライスバリアントそれぞれの細胞内領域に結合する分子のスクリーニングを、酵母2ハイブリッドシステムを用いて行った。その結果、幾つかの細胞骨格に結合する分子ファミリーがNGC結合分子の候補として単離された。これらの分子は、分子輸送などを介して軸索や樹状突起の形成に関与している事が既に報告されていることから、NGCの細胞内での局在も制御している可能性も高い。 今後、これらの分子とNGC細胞内領域の結合を他の実験系で確認する。 また、免疫沈降やウエスタンブロット解析法を用いてNGCとアクチン分子とが結合していることを示した。 この結果は、免疫染色で得られたNGCの局在、すなわち樹状突起の偽足への局在は、NGCの細胞内領域とアクチン線維が結合することにより生じることを示唆する。 さらに、昨年度にはNGCを神経細胞に強制発現させると、神経突起の形成が抑制されることを示したが、本年度は、神経系の株化細胞であるNeuro2aやPC12細胞にNGCを強制発現させ、突起形成を促す分化条件で培養し、突起形成に及ぼす影響を観察した。その結果NGCの過剰現で神経突起の形成が抑制されることが解った。これらの結果から、NGCはアクチンの重合-脱重合の制御に関与し、樹状突起のフィロポディアやスパインの形態形成に関与しているのではないかと考えている。
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