2002 Fiscal Year Annual Research Report
拡張型心筋症患者に対するテイラーメード免疫吸着療法を実施するための基礎的検討 -抗心筋自己抗体の抗原エピトープによる特異的心病変の検証-
Project/Area Number |
14770342
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Research Institution | Kitasato Institute |
Principal Investigator |
馬場 彰泰 社団法人北里研究所, 北里研究所病院, 内科研究員 (60296572)
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Keywords | 拡張型心筋症 / 自己抗体 / 催不整脈作用 / 心肥大 |
Research Abstract |
ヒトリンパ球移植による自己免疫モデルマウスの検討 ヒト末梢血液中の精製リンパ球2500万個をC.B-17/lcr-scidマウス(6〜8週令)へ移植した。毎月マウス末梢血中の自己抗体(免疫グロブリンG)力価を測定し、移植6ヶ月までの生存率を比較した。移植6ヶ月後には全例、開胸して心病変を観察した。対象患者は、(1)健常者(CTL群)10例、(2)自己抗体を有さない陳旧性心筋梗塞症患者(OMI群)13例、(3)抗Na-K-ATPase抗体を有する拡張型心筋症患者(NKA-DCM群)13例、(4)抗Na-K-ATPase抗体・発作性心房細動を有する心不全患者(NKA-PAF群)6例、とした。各患者あたり少なくとも2匹以上のマウスヘ移植した。抗β1および抗H2受容体抗体を有する患者群は来年度以降に設定する予定となった。移植後6ヶ月までのマウス死亡例は、NKA-DCM群で1例のみ観察され、移植139日目の心不全死であった。血中の自己抗体価は、NKA-DCM群とNKA-PAF群で移植1〜2ヶ月後まではELISA法で検出しえたが、以後の期間では全群で陰性を示した。移植6ヶ月後の心体重比(mg/g)は、CTL群4.07±0.41、OMI群4.08±0.57、NKA-DCM群4.44±0.41、NKA-PAF群4.37±0.28であった。今回の実験から、抗Na-K-ATPase抗体の心肥大作用が確認された。また細胞膜Na-K-ATPaseへ対する免疫異常は、拡張型心筋症患者に限らず、心不全患者一般にも存在する可能性が示唆された。 エピトープ反復免疫による拡張型心筋症モデルラットの検討 抗β1受容体抗体,抗H2受容体抗体、抗Na-K-ATPase抗体それぞれの抗原エピトープとなるペプチドを、ラットに反復免疫(完全・不完全フロイトアジュバント混合、1回/月ごと)を行っている。本年度末にて免疫開始6ヶ月となるが、いまだ死亡例は観察されていない。長期免疫による心病変の差異については、来年度に報告できる予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Baba A, Yoshikawa T, Ogawa S: "Autoantibodies produced against sarcolemmal Na-K-ATPase : possible upstream targets of arrhythmias and sudden death in patients with dilated cardiomyopathy"J Am Coll Cardiol. 40(6). 1153-1159 (2002)
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[Publications] Baba A, Yoshikawa T, Chino M, Murayama A, Mitani K, et al.: "Autoantibodies : new upstream targets of paroxysmal atrial fibrillation in patients with congestive heart failure"J Cardiol. 40(5). 217-223 (2002)
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[Publications] Kurita Y, Mitamura H, Kanki H, Baba A, Takeshita A, et al.: "Clinical correlates of atrial fibrillation in patients with chronic heart failure"Heart. 34(1). 25-30 (2002)
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[Publications] 吉川勉, 馬場彰泰, 安斉俊久: "【21世紀の心不全治療の展望】免疫学的アブローチによる心不全治療"呼吸と循環. 50(10). 999-1006 (2002)