2002 Fiscal Year Annual Research Report
プロピオン酸血症の病因遺伝子変異の解析およびビオチンに対する反応性の検討〜ビオチン投与による新しい治療法の開発を目指して〜
Project/Area Number |
14770347
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂本 修 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (20333809)
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Keywords | プロピオン酸血症 / プロピオニルCoAカルボキシラーゼ / ビオチン / 遺伝子変異 |
Research Abstract |
プロピオン酸血症はプロピオニルCoAカルボキシラーゼ(PCC)の欠損による代表的有機酸代謝異常症である。PCCはビオチンを補酵素とするαサブユニットとβサブユニット、より構成(α6β6)される。患者ではα、βいずれかのサブユニットに障害があることが知られている。本研究はプロピオン酸血症患者における個々の病因遺伝子変異をあきらかにし、発現実験により酵素学的にビオチンに対する反応性を検討するものである。 日本人プロピオン酸血症患児の遺伝子型と表現型の相関、変異酵素の酵素学的解析のため、はじめに個々の患児の変異解析を行った。研究代表者の所属する東北大学小児科において長年プロピオン酸血症研究を進めており既に18例の遺伝子解析を終えており、今回さらに全国から依頼された患児20名の遺伝子解析を追加した。新規患者には末梢血もしくは培養細胞よりゲノムDNAを抽出し、αサブユニット全24エクソン、βサブユニット全15エクソンについて自動シークエンサーにて遺伝子解析を行った。その結果αサブユニット欠損患者は13名、βサブユニット欠損患者は15名とほぼ1:1に分類された。いくつかの新規の変異を見いだしており、またその変異スペクトラムにおいても非日本人患者にはみられない特異なパターンが得られた。これは今後の患者の迅速な遺伝子診断に道を開くものである。 現在ビオチンに対する反応性を検討を含めた発現実験の系の検討にあたっている。
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