2002 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギーの病因遺伝子群の総括的同定と機能解析に基づくオーダーメイド治療の確立
Project/Area Number |
14770355
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
松井 永子 岐阜大学, 医学部, 助手 (90334929)
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Keywords | アレルギー / IgE / IL-12 / IL-12R β2 |
Research Abstract |
アレルギー疾患は遺伝的要因に環境要因が影響し発症する。このアレルギーの病因遺伝子と、その病態を分子遺伝学的に解明することは、アレルギー疾患の増加に対する対応のみならず、その病気の発症予測につながり、個人個人に最適な医療いわゆるオーダーメイド医療を確立することにつながると思われる。そこで本研究ではIgE産生の抑制系に注目し、IL-12シグナリング中の遺伝子変異の解析をすすめ、遺伝子解明に留まらず、画期的、根本的な予知予防、早期診断、さらには多様な病因に対抗して治療法の確立を目指している。 今年後の研究実績は以下のとおりである。 (1)アレルギー疾患の最も基盤となりかつ異常な蛋白であるIgE抗体の産生過剰となる理由をサイトカインネットワークの解析から解明した。 (a)IL-12レセプターβ2変異の解析:アレルギー患者のcDNAをダイレクトシークエンスし、現在までに確認された変異の分子疫学的頻度の確認と新たな変異の確認を行い、頻度を検索した。R313G、1856del91、H720Rはいずれも検討した非アレルギー群では認められず、A604Vはp<0.002で有意にアレルギー群で検出された。 (b)IL-12レセプターβ2変異の発現:in vitro mutagenesisによって変異を導入したIL-12レセプターβ2cDNA発現ベクターを作成し、Bos細胞に強制発現させた。IL-12レセプターβ2抗体によるFITCを施行したところ、野生型と比較し変異型では発現量の低下が認められた。 (2)病因遺伝子群と環境との関連の解明 アレルギー患者にストレステストを行い、遺伝子変異と症状さらにストレスに対する反応性との関連につき検討を加え、環境因子(特にストレス、不安尺度)が、病因遺伝子変異の発現にどのように関与してくるのかを検討した。ストレステストとして、CMASを行い、IL-12レセプターβ2変異の有無との関係を検討したが、有意な結果は得られなかった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Matsui E., Kondo N., et al.: "Mutations of the IL-12 receptor β2 chain gene as one of the causes of atopic diseases"Current Advances in Pediatric Asthma and Other Allergic Diseases JOMO NEWSPAPER Co., Ltd.. 37-42 (2002)