2002 Fiscal Year Annual Research Report
ホメオボックス遺伝子による造血制御およびその破綻による白血病発症機構の解析
Project/Area Number |
14770373
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
嶋田 博之 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80265868)
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Keywords | 白血病 / ホメオボックス遺伝子 |
Research Abstract |
本研究は,HOX遺伝子の機能異常と白血病発症の関連を解明することを目的とする.今年度は,研究材料として,白血病を含む小児がん52症例由来の正常B細胞をEBウイルスに感染,不死化させ,B細胞株を樹立した.今後,白血病を含む小児がん患者および健常人由来B細胞のDNAを用いてHOX遺伝子のpolymorphismの解析を行う.さらに,白血病を含む小児がん患者由来のRNA,正常造血幹細胞由来のRNAを用いてreal-time PCRを行い,HOX遺伝子群の発現解析を行う.今年度は,実験系の信頼性を評価するために,成人の消化管組織由来のcDNAを用いて,WAVE systemを利用したreal-time PCRを行い39種のHOX遺伝子の発現解析を行った.その結果,39種のHOX遺伝子のうち,前腸由来の組織(食道,胃)で高発現を示す遺伝子群は,後腸由来の組織(上行結腸,横行結腸,下行結腸,直腸)で低発現を示し,後腸由来の組織で高発現を示す遺伝子群は,前腸由来の組織で低発現を示した.再現性の高い結果が得られた.これらの結果は,HOX遺伝子群は消化管の前後径に沿って位置特異的な発現を示すことを示唆する.HOX遺伝子群の異所性発現は消化管がんと関連する可能性がある.白血病細胞においてHOX遺伝子群の発現異常が高頻度に起こっている可能性は高い.HOX遺伝子群の正常な造血細胞における発現パターンと白血病細胞における発現パターンを比較することによって,HOX遺伝子の機能異常と白血病発症の関連の解明につながることが期待される.
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