2003 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧症とケロイドに共通する未知の遺伝的背景の解明
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14770388
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
武田 光 山形大学, 医学部, 講師 (90241695)
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Keywords | 本態性高血圧症 / ケロイド / アンジオテンシンII / アンジオテンシン受容体 / アンジオテンシン転換酵素 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
アンジオテンシン転換酵素遺伝子には,イントロン16内にAlu様配列(287bp)の挿入/欠失(I/D)多型が報告され,II型,ID型,DD型と表現されている。DD多型では血漿アンジオテンシン転換酵素活性が他の遺伝子型に比べ高値を示すことから高血圧症や虚血性心疾患などの危険因子と考えられている。採取した血液を用い、PCR法によりアンジオテンシン転換酵素の遺伝子多型おいてII型,ID型,DD型の表現型の解析を行った。アンジオテンシンIIが結合するアンジオテンシンII1型受容体の遺伝子多型の検索については,1166塩基のアデニン(A)からシトシン(C)への変異が高血圧との関連が指摘されている。採取した血液を用い、アンジオテンシン1型受容体この塩基を含む領域をPCR法により増幅し,制限酵素により消化し、A1166C変異により新たに制限酵素認識部位が生じDNAが切断されることから,電気泳動を行うことにより,AA型,AC型,CC型をバンドパターンとして検出し、1型受容体の遺伝子多型を解析した。2年間の研究により真性ケロイド患者7人、非ケロイド患者6人につき検査することができた。アンジオテンシンII1型受容体の遺伝子多型は、ケロイド患者および非ケロイド患者の全例でA/A型であった。アンジオテンシン変換酵素遺伝子のI/D多型については、ケロイド患者7人全例ID型、非ケロイド患者の4人がII型、2人がID型であった。以上の結果、アンジオテンシンII1型受容体の遺伝子多型のケロイド形成への関与は考えにくく、アンジオテンシン転換酵素のD alleleの存在が真性ケロイド発症の一因となっている可能性が示唆された。その他の因子としてキマーゼ、アンジオテンシノーゲン、レニンなどの遺伝子多型も局所のアンジオテンシンII産生に関わり組織過形成に関与することが推測されており、アンジオテンシン転換酵素を含むこれらの複数遺伝子の組み合わせにより、ケロイドとしての表現型が決まるものと予想される。
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