2002 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮膚炎とそのモデルマウスにおけるケモカインの関与
Project/Area Number |
14770395
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
島田 由佳 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (60303301)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / TARC / MDC / Mig |
Research Abstract |
アトピー性皮膚炎(AD)患者の同一サンプルを用いて、Th2ケモカインであるTARC、MDCとTh1ケモカインであるMigの血中濃度を測定することによって、ADの病態形成におけるTh1/Th2バランスについて検討した。AD患者56例と健常人30例より末梢血を採取し、同一血清中の各ケモカイン濃度をモノクローナル抗体(R&D社)を用いたELISA法によって測定したところ、AD患者ではTARC、MDCおよびMigの血清中濃度は対照より有意に上昇していた(96.36±38.12 VS 0.18±0.06 ng/ml、3.27±0.67 VS 0.20±0.04 ng/ml、38.69±1.23 VS 24.11±1.14 pg/ml)。次に、AD患者の詳細なデータベースをもとに、重症度、各検査異常、合併症、および治療などと各ケモカイン測定値との関連について解析を行った。その結果、TARC、MDC濃度は、重症例では中等症、軽症例よりも高値を示し、各患者末梢血中の総IgE濃度や好酸球数と有意に相関していた。また、TARCおよびMDC濃度とMig濃度の間には有意な正の相関を認めた。以上の結果よりTh2とTh1ケモカインの両者がADの病態形成に何らかの役割を果たしている可能性が示唆され、TARCおよびMDC濃度はADの重症度を反映する血清学的なマーカーとなりうることが示された。今後は、AD病変部皮膚でのTARC、MDCおよびMigの発現を免疫組織染色によって検討する予定である。
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