2002 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮膚炎における高IgE血症と表皮細胞由来因子の関連についての研究
Project/Area Number |
14770412
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
森本 謙一 広島大学, 医学部附属病院, 助手 (80335679)
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Keywords | IgE / 角化細胞 |
Research Abstract |
1.IgE産生増強因子の検索:PAM extract中のPGE_2濃度について検討した。その結果、PAM extract中には大量のPGE_2が含まれていることが明らかとなった。そこで、in vitroのIgE産生系にPGE_2を添加したが、IgE産生増強活性は認められなかった。さらに、インドメタシン存在下にPAM212細胞を培養し、PGE_2を含まないPAM extractを作成し、これをin vitroのIgE産生系に添加したが、IgE産生増強活性は認められなかった。以上より、PAM extractに含まれるIgE産生増強因子は、PGE_2ではないことが示唆された。 2.IgE産生増強因子の分離精製・同定:PAM extractをゲル濾過カラムを用いて分画し、各分画についてIgE産生増強活性を検討したところ、活性は1.3〜17kdの間に溶出されることが示された。この活性は酸には安定で、熱処理およびアルカリ処理にて消失した。以上より、活性因子はペプチドあるいはタンパクである可能性が示唆された。 3.今後の検討を進めていく上で、in vitroのIgE産生系を安定させる必要があり、実験系の最適化を行った。培養のスケール、細胞密度、添加するIL-4、抗CD40抗体の濃度、培養期間について検討し、最適化を行った結果、実験の成功率が飛躍的に改善した。今後の検討がスムーズに行えると思われる。
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