2002 Fiscal Year Annual Research Report
インターロイキン8による表皮角化細胞の増殖・遊走機序の解明
Project/Area Number |
14770415
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
松本 佳子 愛媛大学, 医学部附属病院, 助手 (50325388)
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Keywords | 表皮角化細胞 / インターロイキン8 / 表皮成長因子 |
Research Abstract |
表皮角化細胞におけるインターロイキン8の作用を検討した。インターロイキン8により表皮角化細胞の遊走が促進されることが確認された。このときに表皮成長因子受容体のリン酸化が起こっていることを確認した。さらに表皮成長因子のリン酸化阻害薬を前投与すると、インターロイキン8による表皮角化細胞の遊走が70%ほど抑制された。すなわち、インターロイキン8による表皮角化細胞の遊走化機構には表皮成長因子受容体の活性化が関与していることがわかった。そこで、このインターロイキン8による表皮成長因子受容体のリン酸化の機構を解析すると、1)ヘパリン結合表皮成長因子様成長因子の膜結合型から遊離型への変換阻害薬でインターロイキン8による表皮成長因子受容体のリン酸化が抑制されること、2)ヘパリン結合表皮成長因子様成長因子の中和抗体でインターロイキン8による表皮成長因子受容体のリン酸化が抑制されること、が確認された。さらにこれらのヘパリン結合表皮成長因子様成長因子の活性阻害により、インターロイキン8による表皮角化細胞の遊走が阻害された。すなわちインターロイキン8による表皮角化細胞の遊走は、ヘパリン結合表皮成長因子様成長因子の膜結合型から遊離型とそれに伴う表皮成長因子受容体のリン酸化・活性化が重要な働きをしていることが示唆された。
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