2002 Fiscal Year Annual Research Report
表皮細胞におけるデスモグレイン3分子の超微細局在の解明とエピトープマッピング
Project/Area Number |
14770424
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
斎藤 京 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50286548)
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Keywords | 尋常性天庖瘡 / 天庖瘡モデルマウス / デスモゾーム / 抗デスモグレイン3モノクローナル抗体 / 急速凍結固定 / 凍結置換 / 金コロイド免疫電顕法 / 抗原エピトープ |
Research Abstract |
これまでに我々のグループでは,PVモデルマウスを用い,8種類の抗デスモグレイン(Dsg)3モノクローナル抗体(mAb)を作出することに成功している.さらに免疫沈降法,コンペティションELISAを用いて,それらmAbのエピトープのおよその位置を解明し、なかでも水庖形成誘導能を有したAK23はDsg3分子の細胞外領域のN末端を認識し,V3,K7,P8,D59が含まれることを解明している(Tsunoda et al).本研究は、当初コントロールマウス皮膚の超薄切片を基質にOn sectionで免疫染色を施行しDsg3分子の生体内でのエピトープの解析を実施する予定であったが,mAbの基質に対しての反応性が乏しかった.これはmAbの単一エピトープが切片上に露出する確率が低いためであると考え,そのハイブリドーマ細胞を直接Rag2-/-免疫不全マウス腹腔内に接種し,生体内で結合するmAbの超微細局在の解析を後包埋免疫電顕法を用いて行うこととした.まずはじめにAK23の生体内での結合部位の超微細局在の解析を行った結果,AK23接種マウスはPVに特徴的な表現型を誘導することが認められた.また免疫電顕からAK23は非棘融解部ではデスモゾーム(DM)の接着板間に,棘融解部ではHalf-DMの細胞外領域に特異的な局在を認めた.さらに,AK23はHalf-DMにおいて,DM裏打ち蛋白のDesmoplakinおよびケラチン線維と共に局在した.DM内でのAK23の分布を統計学的に解析したところ,AK23はDMの接着板間(幅約30nm)の中央に存在する細胞間結合層付近に局在のピークを,Half-DMの細胞外領域では細胞膜から16nm付近に局在のピークを認めた.今後他の非病原性mAbのエピトープも同様の手法で解析していく予定である.
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