2002 Fiscal Year Annual Research Report
ダリエ病・ヘイリーヘイリー病の発症メカニズムの解明
Project/Area Number |
14770425
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
黛 暢恭 順天堂大学, 医学部, 助手 (80333045)
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Keywords | ダリエ病 / ヘイリーヘイリー病 / haploinsufficiency / 紫外線 / ATP2A2 / ATP2C1 |
Research Abstract |
遺伝性皮膚疾患であるダリエ病・ヘイリーヘイリー病の発症メカニズムの解明を目標に、現在正常ヒト角化細胞における両疾患遺伝子(ATP2A2及びATP2C1)の発現動態の検討を行っている。 現在・両疾患の発症メカニズムはhaploinsufficiency(遺伝子産物量の絶対量の不足)が考えられている。これを裏付ける様々な事象を確認、検討している。 まず、それぞれの好発部位である脂漏部での両疾患mRNA発現量を非脂漏部と比較した。結果、脂漏部での両疾患mRNAは少ない発現量を示した。 また、両疾患は様々な増悪因子(温度・紫外線・細菌、真菌感染等)が知られているが、本年はまず紫外線(UV-B)の影響について両疾患遺伝子mRNAの紫外線照射後の経時的な発現量の推移を観察した。この結果、発現量は照射1時間後には著明に抑制された。この事は紫外線による皮疹の拡大・増悪に関連するものであると考えられた。 今後も引き続き様々な条件下(カルシウム:角化細胞の分化/増殖、各種サイトカイン添加など)での両疾患遺伝子の発現動態を確認し、さらに治療薬、また発現量を増加させる物質の検討を同様な方法で行う予定である。
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