2003 Fiscal Year Annual Research Report
DNAマイクロアレイ法によるアトピー性皮膚炎患者末梢血、皮膚組織の遺伝子解析
Project/Area Number |
14770433
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
東 直行 日本医科大学, 医学部, 講師 (60277564)
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Keywords | アトピー性皮フ炎 / サイトカイン / ケモカイン |
Research Abstract |
アトピー性皮膚炎(AD)患者の末梢血15例(軽症5例,中等度5例,重症5例)、健常人の末梢血7例を採取、アンチセンスRNAを作成、凍結保存している。 またAD患者の皮疹部、無疹部皮膚5例、健常人の正常皮膚5例からもアンチセンスRNAを作成、凍結保存している。末梢血、皮膚組織とも目標の症例数に達している。 SAGEデータを元に、ターゲットDNAの選別、プライマーの設計を進行させている。ターゲットDNAの数は、8000個を予定し、現在約4500個の作成を終了させているが、今後とも同様にターゲットDNAを作成していく予定である。 2000個の任意のターゲットDNAを載せたDNAチップを作成し、健常人サンプル3例、AD患者サンプル9例を用いて、ハイブリダイゼーションとスキャニングの実験を終了して、他のサンプルについても今後逐次遂行予定である。 現在得られている末梢血の結果では、症例によりばらつきがあるものの既に発現増強が報告されているTh2サイトカインであるIL-4,5,13やTh2ケモカイン-ケモカイン受容体TARC, MDC, I-309,CCR4,CCR8,さらにCTACK, CCR10など、あるいは好酸球関連蛋白ECP, MBPの発現増加が認められている。同様に既に発現低下が報告されているTh1サイトカインであるIFN-gamma, IL-12の発現低下を認められている。これらの結果は、我々の実験系のプロトコールが正しいことを証明していると言える。逐次他の症例を解析し、さらに臨床症状(重症度、血清IgE値、抗核抗体陽性、陰性)などにより、発現パターンをみていくクラスター解析を施行するには時間を必要とする。しかしながら問題点もまだ多く、コスト削減のためのターゲットDNAの作製に時間がかかるということ、自前で準備したターゲットDNAの安定性、純度を保つことが予想以上に困難であることより、既知ターゲットDNAに関しては、既製品を購入することも視野に入れる必要があるが、資金的な問題がある。
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