2003 Fiscal Year Annual Research Report
低周波を付加したMR画像による腫瘍硬度の定量化と腫瘍悪性度解析への臨床応用
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14770444
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山本 正二 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (40302567)
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Keywords | 磁気共鳴画像 / 腫瘍 / 弾性 / 低周波 |
Research Abstract |
腫瘍に対する画像診断装置は著しく進歩し、CT、MRIなどにより腫瘍の局在診断は飛躍的に向上してきた。しかし、従来の画像診断は物質の密度や分子構成の違いを画像として描出するもので、臨床医が触知して認識する腫瘍や周囲組織との硬度差は描出できない。最近、この硬度を画像化するものとして、超音波装置で圧迫を行い、ひずみの差を利用した硬度画像の発表がある。また、我々も低周波発生装置を併用したパワードプラー装置により、腫瘍硬度の画像化の基礎的実験に成功した。しかし、画像としての診断的価値は、磁気共鳴画像の方が優れている。磁気共鳴装置を用いては、100Hz-1kHzの振動を加えたelastography(硬度画像)の開発が行われているが、動物実験の段階であり体内に振動装置を埋め込むなどの侵襲的な手技が必要となっている。しかし体外から低周波を加えて振動を起こした場合、その微妙な振動を磁気共鳴装置を用いて非侵襲的に画像として描出できる可能性がある。より精度の高い画像診断法の開発には、腫瘍の硬度差を加味した画像の作製が極めて重要である。本研究では第一に体外より100Hz-1kHzの振動を加える。この低周波により振動を起こす臓器・組織は、硬度の違いにより微妙に異なる動きを、磁気共鳴画像として描出することを目的とした。本年度は昨年度に作成した低周波振動装置を用いて、ファントーム、豚肝臓における至適条件にいて検討した。低周波振動により表在部位の組織には適切な振動を与えることが出来たが、深部には振動が波及しないことが明らかになり、次年度以後改善を目指す必要を生じた。
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